ツイッターではツイートしたのですが、ブログをお読みいただく方は別なのでこちらにも書くことにしました。
2023年3月にキロンと木星が重なります。
キロンとは西洋占星術で使われる主な天体10個以外の感受点です。
小惑星といわれる天体で、傷と癒やしを象徴します。
キロンは土星と天王星のあいだをだいたい50年くらいをかけて1周するのですが、軌道がいびつで逆行もあるため、その時々で位置が前後します。
このキロンは土星の内側から天王星を超えて、海王星までいたる軌道を描いていきます。
土星というこの世の「制限」を超えて、あるいは自我を超えた海王星まで至ることを考えると、その「傷」は個人ではなく社会の仕組みから受けるものだったり、その解決は精神的な領域までつなぐ必要があることがわかります。
なので、キロンは個人の傷と癒やしだけでは終わらないと思います。
その傷を負わせた原因も個人の問題でもなく、個人を超えた社会から受ける傷もあるのです。
また、その「傷」についてもキロンの元型とされるケイローンの神話にも読み解くことができると思います。
(ケイローンの神話についてはここでは書きません)
また前回、木星とキロンは2009年に水瓶座で重なりました。
次回、木星とキロンが重なるのは、2036年に双子座で重なります。
今回キロンは、2019年2月頃から2027年4月頃まで牡羊座に滞在します。ひとつのサインの滞在期間としては長い期間になります。
この期間は、「生まれたままの魂のままでいることに対する不安」という牡羊座の要素に対する傷があることを象徴します。
なので、
「自分の意思をだしにくい」
「他人に影響されてしまう」
「自分が何をしたいかわからない」
「そもそも、自分がこの世に存在してもいいのか」という自分自身への「傷」が2019年から2027年までの社会のムードに帯びていくことになります。
ただ、最初に書いたようにこれは「個人のせい」ではなく、社会の仕組みだったり、共通の意識だったりして、個人の手におえないところにまで至る事であるというのはわかっていたいのです。
前回、キロンが牡羊座にあったのは1968年から1976年あたりです。
この年で生まれた方々は、2018年から2026年くらい迄には、キロンが生まれた時の場所に戻ってくる時期になります。
キロンが戻ってくることで、今度は傷ついた経験をもとに、生き方を見直していったり、相手を傷つけずに、あるいは癒やす側として接することができるかというテーマもでてくると思います。
一方で、木星は「それっていいことだよね」という拡大させる天体です。
2022年12月20日に牡羊座にはいった木星は、牡羊座の要素について拡大していきます。(木星は2023年5月17日に牡牛座に移動します)
なので、この期間は、牡羊座の「チャレンジする」「やってみる」という要素が社会に受け入れやすくなることで、新しい挑戦をする事がやりやすくなります。また、新しい分野にチャレンジする人にも、スポットライトがあたります。
あるいは社会のシステムがバックアップされる事もあるでしょう。
なので、なにか新しいことをやってみたい、という人にとってはこの牡羊座に入った木星は追い風になります。
しかし、一方でここにキロンがあるよ、傷があるよ、という事も拡大鏡で広げてみせる「作用」があるので、「チャレンジ」だの「やる気」だの言われるけど、そもそもそんな気持ちになれない、と感じることも多いと思います。
「気持ちがパッとしない」「失敗ばかりを思い出してしまう」「寂しいとか悲しいきもちにこだわっていまう」という感情を、傷の部分を木星が虫眼鏡のように拡大して見せていくので、感じやすい事もあると思います。
なので、もちろんこの時期に、チャレンジしないことが「ダメ」とか、やる気がないのは「悪い」という事ではありません。
むしろ「ここに傷があるよ」と見せることで、自分が見てみぬふりをしていたことに気がつくこともあると思いますし、
じゃあ、この傷はどうして回復できるのか、成長につながるのか、というあたりまで木星は見せてきています。
キロンは自分の「ここが限界」というシバリを解き、あるいは個人からだけではなく、社会や集団からの傷も癒やし、集団の意識まで至る天体です。
最初に書いたようにキロンはいびつな軌道を描いています。そして木星と重なるまでの幅(オーブ)もあるので、2月上下旬くらいから3月下旬あたりまで、木星とキロンが重なっている時期になると思います。
なので、この時期、「チャレンジ」とか「スタート」という気分じゃないという事もあると思います。
そういった時には、もう一度、自分に、あるいは自分自身のキロンに、あるいは牡羊座のキロンに向かい合うことも必要だと思います。
チャートは、MyAstroChart さんで作りました。