「するするする~っ」と、怖いくらいに読めてしまう鏡リュウジさんの自伝を核にした占い論。
一見さらっと書かれているように見えますが、ほんの1ページの中に根拠となるデータや知識がいくつもキュッと詰まっています。「するするする~っ」と読めるけれど、決して軽く書きながされているわけではなく、「どれほど深い背景をお持ちなんだろう」と、改めて怖くなってしまうほどです。(そして、きっと鏡さんと一緒に構成を担当された方も素晴らしいお仕事をされているのだろうなと感じます。)
この「するする読ませる」は、講座や他のお仕事の場でも存分に発揮されていて、私は勝手に雑誌に書かれていた鏡さんのニックネーム「星の王子さま」がみせる(ガチ)魔法だと思っています。
私も理系教育を受けてきたので、「なぜ占いを?」と聞かれることがあります。
その時私は、「いかにこの世界の『わからないこと』に満ちていて、科学がそれをわかっていないか」
そして「私が関わる医学・薬学の分野で『統計』や『エビデンス』が強調されるのは、むしろその足元がいかに不確かなものかという裏返しだから」とお答えしています、今のところ。
今のところ。
そして、その「わからないこと」の中に身を置き続けながら、「なぜ自分がここに存在するのか、あるいは存在しないのか」といったことについて、考えたり考えなかったりしています。
鏡さんはまさに「時代の子」でいらっしゃるので、作中に登場する方々も私が尊敬する先生方や、直接・間接に関わりのある方ばかりで、私個人としてもとても楽しく読めました。その一方で、東畑開人さんがおっしゃるように、占いを切り口にした「戦後日本論」としても読める一冊だと思います。
鏡さんのご著作には、翻訳された専門的な本や、学術的な研究テーマを扱った素晴らしいお仕事がたくさんあります。ですが、私が一番好きなのは、一見軽やかに読める本やエッセイの「ふり」をしながら、占いの本質を問いかけてくる作品です。
以前の『占いはなぜ当たるのですか』や『占星術夜話』も大好きで、そこに書かれたエピソードや西洋占星術の解説も楽しいのですが、今回の本はさらに「占い界隈」の外にいる方にも分かりやすくなっていると感じます。
そして、登場する方々の中でも、京都のお母様が本当に素敵。
以前ちらっとXにポストしたのですが、この本の中にあるお話や、時々Xで見かける「お母様語録」を、ぜひ一冊の本として出していただきたいなと思っています。
占い界隈の大きなお友達も、界隈じゃないお友達もおすすめ。

占い師の正体-人はなぜ占いに惹かれるのか
そうそう、本の帯で鏡さんが持っていらっしゃるタロットについてXでお教えいただきました。
辰巳さま!ありがとうございます。さっーと読んでいただける本になりました。
せひみなさま!
そして、辰巳さん、さすがお目が高い!
これ、アンティークのエテイヤで、おそらくはあのキャプランの旧蔵品なんです。 https://t.co/OjE3Xs8TmE— 鏡リュウジ (@Kagami_Ryuji) September 8, 2026
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