Xにポストしたのですが、ブログを読んでいる方は別なので、こちらにも書いておきます。
転載にあたり、追加でポストしたものも加えました。
最初にネタばれしておきます。
「あたし、ちゃんと人間に見えてる?」は、『ロマニ・コード』でロマの女性が問いかけてきた言葉。
彼女はロマの魔女なのですが、悪目立ちしてないか?ルーマニアで魔女として見えてるのではなく、普通になじんでいるか?と聞いているのです。
悪目立ちしていない、は大事。わかる。
私は、ジェンダーギャップがこの100年以上、身にしみついているジョシです。
仕事のうえではガラスの天井どころか、鉄板があって刀折れ矢尽きるまで戦ってきました。
悪目立ちするつもりもなくても、女が働いている、しかも、モノ申している、というだけで、目立ってしまっていたのです。
目立つとすぐに、鉄板に頭をぶつけ、不意打ちのように背中から斬りかかられ、見えないところで足を引っ張られました。
でも、そのうえで、「ダンシって、アホだ」と思うことが時々あります。
目立ってどうするの?と思うような事をわあわあとやってみたり、向こう見ずというか、それ、ナンの意味があるの?ということに、命をかけているのをみると「アホだな」と思いながら「さすがに、それはできないわ」と思います。
その「さすがに、それはできない」大将だと最初に思ったのは、椎名誠さんでした。
私はだからこそ、『さらば国分寺書店のオババ』をはじめ、ある時期、とにかくシーナの本を読みまくっていました。
でも、結局、もといた場所にもどってくるんだなというのは、彼の『パタゴニア』でしみじみと思ったし、何回も引越をしたあとで手元に残ったのはこの『パタゴニア』だけ。
そして、この本には私あての名前と、シーナのサインもあるのです。
なんせ、読みまくっていたのでお気に入りの本を持ってってどこかでサインをもらってきたのです。
いまより、SNSもネットもなく、どうしてどこにシーナが出没するのかわかったのかと思うけど、そのくらい読みまくっていたんだと思います。

パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り (集英社文庫) https://amzn.asia/d/0fNptpyd
そのアホなダンシは、結局、令和では絶滅してると思っていました。
でも、思いもかけずルーマニアで、ちんちくりんのおっさんを師と仰ぐ言語学者になっていたのです。
それが『ロマニ・コード』の角悠介さん。
椎名誠さんと似たものを感じたのは、(椎名誠さんの喧嘩は身体性というのか、はともかく)角悠介さんにも直接、行く、話す、というその行動に、杖術をやってらっしゃるという裏打ちがあると感じてたからだと思います。
なので『ロマニ・コード』の最後にネタばれがあって、あとがきに「(夜間飛行さんの)甲野善紀先生のメールマガジンに・・・」とお名前をみたときに「・・・でしょうね」と納得しましたし、私の感想のXポストを夜間飛行さんがリポストしてたまげたのも納得できます(笑
そして、角悠介さんのXのアイコンの写真もこの『ロマニ・コード』にネタばれされてて、さらに答え合わせができた思いです。
この本を手にしたのは、角悠介さんの『呪文の言語学』を読んだことからです。

呪文の言語学: ルーマニアの魔女に耳をすませて https://amzn.asia/d/01ClO8XV
私は、占いをしてるので、魔術から民俗からマージナルなところの興味と知らなくてはいけない事は、その周辺が広大に広がっていて、読書のネタは尽きません。
なのでこの『ロマニ・コード』もその呪文、魔術関連だろうかと、事前の知識なしに(いや、調べろよ)読んでみたら、あら、びっくり。
ロードムービーのようなエッセイであり、その、ちんちくりんのおっさんが結構、重要人物だったり。
おまけに、ちょっと泣ける話でもあったり。
ちょっと死体がころがってる日常だったり。
物価高と円安がすすんで、海外に行かない、行けない私たちはますます、目の前の窒息しそうな仮想現実しか見えてきません。
でも、このちんちくりんのおっさんの話は、そのせまいローカルルールに窒息しそうなダンシだけじゃなく、鉄板の天井に刀折れ矢尽きたジョシだけでなく、それは自分が勝手につくった「仮想現実」にすぎないんだよ、と教えてくれます。
そして、ちんちくりんのおっさんと私たちは、当たり前だけど、まったく違う。
でも、それは、どちらが上下でも、正しさでもなく、「同じ格好をさせて」でもなく「ただ、そのまま愛し、愛されること」が大事ということ。
ヤダ、結構、いい話っぽい。
そして、「アホだな」という事をするダンシは、日本には住みにくいのだろうか、とルーマニアの遠さと思います。
一方で、日本にいる私は、「あたし、ちゃんと人間に見えてる?」だろうか、とも思うのです。

ロマニ・コード 謎の民族「ロマ」をめぐる冒険 https://amzn.asia/d/0gS0SVqb
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