植物画が好きなので、行ってきました。
タイムラインに流れてきたこのモクレン(マグノリアは、モクレン科モクレン属の学名および総称)のインパクトも大きかったです。
会場の入り口のフォトスポットのマグノリア。

これは、ジョセフ・ダルトン・フッカー(植物学者)、ウォルター・フッド・フィッチ(画家)による『ヒマラヤ植物図譜』(1855年)にあるもの。
展示の説明によると、種が30年後に開花したことで当時、大きな話題となったと。
タネからこんな美しいマグノリアが咲いたらびっくり。
イギリスの植物画は植物学の図鑑から始まって、その後、その美しさが彼の地でとても愛されたのはは知っていました。
なんとなく、そりゃあ、きれいだもの、と思っていたのですが、そうではなかったようです。
今回、知ったのは、むしろイギリスは植物の種類が少なく、大航海時代(15~17世紀)に海外からのやってくる珍しい植物が植物図鑑となって注目が集まったそうです。
それがやがて、植物画として人気がでたのが今回、展示の中心となっている18~19世紀。
そうなんだー。
振り返って日本では、びっくりするくらい多様性のある植物相。
それが当たり前。なので特に気にしてなかった。
そして逆に、それが少ない人工物の多い街であった江戸では、特に江戸時代後期にみんなが朝顔の変種を育てるブームとなって楽しんでいた、という流行もあったのです。
そんな日本で、牧野富太郎先生が次々に新種を発見していって、あらためて日本の植物の多様性を再発見することになってきたんだと考えています。
牧野先生の植物画はその美しい線とともに、根っこはどうなってるの?花弁はどうなってるの?というところもわかるようになっています。
(リンクをつけておきますのでご覧ください)
また、イギリスの銅版に手彩色という手法に対して、フランスは点刻銅版の技法を使った繊細な表現。
楽しむ、もあるでしょうけど、贅沢品のおもむき。
近くで見ることができたのですが、点がどこにあるの?くらいの繊細さ。
帰宅後、展示されていたテュルパンの『薬用植物誌』がどこかで見られないかな、と思ってググっていたのですが、慶応大学のメディアセンターを見つけてしまって、他の内容もおもしろくて、大幅に横道にそれていました。
ここ、すごい、ンだけど、今回展示されている『フローラの神殿』の画もでています。(テュルパンではありません)「繁殖する自然 博物図鑑の世界」5ページあたり → https://dcollections.lib.keio.ac.jp/ja/exhibition/16
また、花言葉を忍ばせて作る花束や、絵画のなかの植物の解説も。
例えば、スイセンは花言葉「自己愛」で、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの『エコーとナルキッソス』に描かれていることが展示されていました。
西洋絵画でなんでこんなに描かれているのかと思ったパッションフルーツ(トケイソウ)の花。
この花も、最初に書いたように大航海時代にやってきたもの。
最初は薬として用いられているのですが、この形をした花を見て、キリストが十字架にかかった受難の姿を連想したことに由来します。5本のおしべがキリスト様がうけた傷の数を、3本の柱頭(雌しべの先端)が十字架を留めた3本の釘を示しているところから、と。
パッションって情熱だと思ってたけど、本来は、受難からきているようです。知らなかった。
その後、植物画としては背景にその世界観を描き込むことで独特な雰囲気の『フローラの神殿』が登場します。
医者のロバート・ジョン・ソーントンが、最新の植物学の知識を広めるために編集した植物図鑑。
もともと彼は、薬種商に生まれ牧師になることを期待されつつ、植物学が学べるからといって医師に進路を変えた人。
この『フローラの神殿』を刊行しつづけて、結局、破産して極貧のうちに亡くなったのです。
すごい方だ。そして出生データが知りたい。
そして、やがて、日常で楽しむように植物絵を飾ったり、あるいは、食器に描くことになったり。
そういえば、イギリスのウェッジウッドの「ワイルドストロベリー」シリーズは有名。
そして、壁紙から100均でも売ってるみんな大好きなウィリアム・モリスの登場する19世紀。
令和の日本でも可愛いと思うもの。
出口の最後に塗り絵コーナーもあり、謎に品のあるマダムがやってらっしゃったのですが、・・・うまい。
ナニモノ?感あり。
その隣だと気が引ける、と思ったら、おうちでダウンロードすることもできるようです。
皆さまも、やってみて。 → http://fam-exhibition.com/Botanical2026/special.html
全体の流れというか、展示の意図も感じられて、楽しかったです。
見ながら「これ、全部、個人蔵じゃ?」と途中から気がついて・・・ダレ!どこの団体!?と思うと、別の意味でスゴい展示だった。
この府中美術館では、その企画にコラボしたカフェメニューがあります。
今回は、ボタニック・ガーデン・プレート。これにゴボウと蓮根のスープと雑穀ご飯がつきます。
先に会計をして、テーブルで待つスタイル。
今回はBの「ヒヨドリ Bulbul」

混雑時は入場制限もあるそうです。
カフェもこぢんまりとしているのでランチ時は待つこともあります。
江戸・明治の朝顔ブームと書物 https://www.ndl.go.jp/imagebank/column/asagao
高知県立牧野植物園 「牧野富太郎の植物図」 https://makinomigoro.jp/seasonal/
熊本大学薬学部 「トケイソウ」 https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003694.php
ウェッジウッド「ワイルドストロベリー」 https://www.wedgwood.jp/products/list?category_id=58&srsltid=AU7gw4WgRoEMlMC8wCYwppDn_OGyA7fVCE3PAJs7YZRwrZAwHFCunaDr
府中乃森珈琲店 https://fuchunomoricoffee.com/
「花のある暮らし ボタニカルアートとデザイン」 http://fam-exhibition.com/Botanical2026/
府中市美術館 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html
対面鑑定・出演予定のスケジュール → https://divinus-jp.com/archives/37880
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