聖天さま(こちらの記事です)から、観音さま(こちらの記事です)に行く時に
なんだか気になる公園があったので、ふと見ると。
公園?
公園じゃないです。
よくわからないが、素通りはできない感じ。
ご挨拶します。
小さな祠と、真ん中に石碑があります。
福寿稲荷大明神、とあります。
おかしいなあ、この感じは、お稲荷さんじゃない。
しかも、石碑はひとつで、祠がふたつ。
もうおひと方は、どなただろうか?
立て札を見ます。
ああ、ここが姥ヶ池なのか。
だから、池が造ってあるのか。
ひとつは、その姥ヶ池の方だ。
帰って調べたら、姥宮沙竭羅龍王と。
また、浅茅が原の池は、ちょっと別の場所にもあるようで、
伝説としては、両方同じような感じでした。
姥宮沙竭羅龍王は、そのおばあさんか、
そのおばあさんを、成仏させた観音様の化身のお名前でしょう。
姥(うば:おばあさん)の家であり、龍は、浅草寺がらみの命名。
浅草寺は金龍山と称されます。
また、聖天さまは、浅草寺の諸堂のひとつになっていますが、
浅草寺より古く、
聖天山に、龍が降りたことから
待乳山聖天さまは本龍院と称されます。
この周辺には、履物、皮細工のお店や問屋がたくさん。
江戸時代に水運が発達して、このあたりは履物問屋街になった名残です。
(姥が池のおばあさん、まだ、がんばってますね)
もう、おひと方の、福寿稲荷さま。
お稲荷さんといいつつ、中味は違うこともよくありますが、
なぜ、こちらは、ここにいらっしゃるのか、わからないです。
お稲荷さんは、普通はこんな池の中にいらっしゃいません。
福寿稲荷大明神は、隅田川の向こう側にあるとのことです。
もともと、池のあとに建てられた屋敷内のお稲荷さんが、
川向うに移られたのかもしれません。
(未確認ですが、東京都墨田区吾妻橋2-5-13にあるそうです)
それでも、池の中は、不自然。
連想するのは、落語の「ぞろぞろ」
田んぼのなかにあるお稲荷さんの前に、
履物の店を営む夫婦と床屋の話。
ちょっと、アヤカシ、怪異の話。
まあ、いいか。
わかるときは、わかります。
お寺、なのか、神社なのか、別の言い方をするのか、
ビミョーな場所ですが
無視できないので、畏れつつ敬意を表します。
パワースポットじゃないけど、
軽々しくあつかってはいけない場所、というのはあって、
ここでは、公園という形になっているけれど
こういう「ありよう」の場所もあるんだな、と思いました。
よい木(気です)、ですね。
お稲荷さんと、姥をよろしくね。
浅草寺の二天門の近くです。
海外からのお客様の大型観光バスが止まります。
二天門で記念写真を撮りますが、
ここで足を止める方はいません。
浅草は、観光客の多さで気がつきにくいのですが、
生と性と聖がいくつも重なる場所です。
それが、スカイツリーに絡んだ龍のように、天にぬけていくようです。
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