3月7日に土星が魚座に入ります。
その後、土星は逆行して、2025年5月25日から9月1日まで魚座に戻ります。
そして2026年2月14日に牡羊座に移動を完了します。
期間として、前半の約2年2ヶ月+後半の5ヶ月半の2年半程度
全体として2023年3月から2026年2月14日までの約3年が魚座土星の時間になります。
土星は「コワい」と思われているかもしれませんが、 私は、そうは感じません。
きちんとカタチにする星です。必要なものだけ残し、現実化し、全体を継続させる天体です。
森の成長において、不必要な枝は、はらうことで、枝の下にも太陽の光がさし、豊かな森となります。また、枝をはらわれた木は、太陽を目指してまっすぐに伸びます。
土星は、そんな「作用」があるような気がします。
<目次>
すでに魚座には海王星がありますが、魚座で重なることはありません。
海王星と土星が重なるのは、2026年2月21日牡羊座にはいったばかりの0度で海王星と土星が重なります。
一方、魚座と牡羊座というサイン違いでありながらほぼ、コンジャンクションという状態がずっと長く続くことになります。
オーブ5度として、2025年4月から2026年4月くらいまでの約1年。
そして、サイン違いといっても春分点をまたぐところなので、インパクトは大きいと思います。
2025年3月30日 海王星の牡羊座イングレス直前、魚座の最終度数で、土星と海王星がほぼ重なっています。
土星は、そのシステムが長続きするように、必要なものは現実化する、不必要なものは削除する天体ですが、今回の魚座の土星は、魚座の支配天体である海王星の影響はこの土星に大きくでてくるでしょう。
前回土星が魚座にあったのは、1993年5月21日から1993年6月30日ですが、ここはほんのちょっと、お試しという感じで、
逆行で水瓶座にもどったあと、1994年1月29日から1996年4月7日までの約2年数ヶ月が魚座の土星時間だったと思います。
1994年には、北朝鮮の金日成書記長が亡くなり、ノーベル平和賞にパレスチナ解放機構のアラファト議長、イスラエルのラビン首相やペレス首相の3人の受賞がありました。
また、この間、日本では長く続いた自由民主党政権から、日本新党の細川内閣へ政権が交代し、アメリカの大統領も共和党のブッシュ大統領から民主党のクリントン大統領に替わっています。
1995年は、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件があり、イスラエルのラビン首相が暗殺されました。
1996年は、選挙で自民党が復調し、単独政権をつくっています。また厚生省(当時)の汚職や薬害エイズ問題がありました。
阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、薬害エイズ問題は、私はこの一連の流れはむしろ、この時期に蠍座にあった冥王星が、射手座へのイングレスの影響も大きいのではないかと思っています。
薬害エイズ問題は、民間の血液銀行としてスタートした製薬会社が、第二次大戦中の731部隊とのつながりを経て、血友病の権威であったドクターが国会で証言し情報の隠蔽が報道されていましたが、そんな簡単な話ではないというのが今の理解です。
薬害エイズ問題の和解が成立したのは1996年3月29日です。土星は魚座にありました。
ただ、冥王星の移動は別として、魚座の土星にフォーカスするとこの時期は、「良い悪い」ではなく、様々な価値観が存在することが表面化しています。
そして、そのどれがシステムが長続きするために必要なのか、あるいは、人の気持ち、信じるもののあり方をどう区分して決着していくかが見えてきます。
土星が魚座に入ると、魚座の示すいろいろな価値観、気持ちという見えないものに、現実の目が向いていきます。
いままで見えなかったものを、区別して仕切ることや、現実問題として判断することになります。
最初は土星は苦手として意識するので、見えないものへの苦手感や拒否、恐れもでてきそうですし、スピリチュアルなビジネスの陰の面が見えるかたちになってきそうです。
あるいは人の気持ちを察したり、いろんな価値観を認めることへの拒否もあるでしょう。
宗教、スピリチュアルなことでフェイクではない「本物だけ」は、現実として根ざしていくことになるでしょう。
見えない心、気持ちをみえるようにするので、心理や占い、宗教をきちんと積み上げてきたところには成果がでてきます
占いの業界でも残るのは土星先生の試験をクリアした占いだけでしょうから、私も他人ごとではありません。
宗教性という事であれば、新興宗教が水瓶座的であるとしたら、さらにその古層である部分にアクセスする方も増えると思います。
社会的な助けを必要とする弱者に対する施策の必要性がある一方、非常時に誰を先に救命するかというトリアージの考えも、もう一度、社会として考える必要がありそうです。
このコロナ禍の外出自粛で家庭内暴力や性暴力が増えてしまったという報告がありました。
最初の家庭内暴力は、それとわからないところから始まることが多いです。
また性暴力も「いたずら」と表現される事があります。
日常の親子のスキンシップに紛れている性暴力や、親しげな調子で近づいくる性暴力に一線をひいて被害と加害を示すことは、私たちの近くにあるテーマです。
さらに、この魚座の土星がイングレスする前に回転寿司での「迷惑行為」の動画の話題がありました。
このくらいふざけてもいいよね、という身内感が過去も含めて表にでてきて、そこに「迷惑」というワードではなく、社会的な規範を示すことも土星のテーマ。
感染症、ウィルスも見えないものです。
新型コロナウィルス感染症の収束をどうするかも、魚座土星の時間のテーマです。
さらに、以前からの問題として薬剤が効かない、あるいは効きにくい薬剤耐性菌の問題があります。
2019年には世界で耐性菌の関連死も含めて年間495万人が死亡しており(”Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis”, Lancet vol. 399, issue 10325, P629-655,2022)、将来的には2050年に年間1千万人が死亡するようにになると推測されています。
見えないものは心の問題だけではなく、感染症との戦いも続くと思います。
土星は常に「ここ、弱いよね」という弱点を最初に指摘してきます。
そのうえで、そこを問題とし、社会システムとして長続きするような方向に向けるのが土星です。
社会のシステムに入っていないものや、声をあげることのできない方、被災者、被害者に対する優しさもテーマです。
それは他人ごとではなく、自分に対してもそう。
まず、そういった弱者にたいする社会的な厳しさとして問題がでてくると思います。
弱者は他人事ではありません。
ヒトは生まれたあと誰かのケアがないと生きていけませんし、また、老いても同様です。
だれもが、弱者であると思います。
そこを、自己責任だから、という言い方で切り捨てる動きもそうです。
一方で、その切り捨てる自己責任の論理は自分へも向かってきます。
なにか自分が失敗したこと、失ったこと、傷ついたことに対しての「自己責任」という論理がむいてくると自分で自分を苦しめるしかありません。
また土星は区切りをする、制限するという働きがあります。
なので、見えない気持ちや感情を区切るということになるのですが、これは結構難しいことです。
水瓶座だったら理論で裏打ちできるものかどうか、という切りわけができますし、
山羊座だったら社会のなかでの評価という事で切りわけができます。
でも、気持ちをどう割り切っていくのか、というのはとても難しいと思うのです。
つまり、宗教上の価値観をどう区分するか、社会的弱者の誰に、社会は最初に手をさしのべるか、命の危機のある人たちのうちに誰を救命するか、という問題に直面するような事件なり、流れがあって、それを区わけしていくのが魚座の土星だと思うのです。
それだけをみると土星は「こわい」となるのですが、その事件や流れを経て、ちゃんと対策をするまでが土星の役割だと思います。
また、自己責任論に対しては、誰もが傷をもち、失敗した経験もあるはずです。
そこにどう、社会として個人としての態度を示すことができるのか、というのが魚座の土星のテーマのひとつだと思います。
いろんな価値観がある、という事を自覚するようになるという事は、いま持っている窮屈な価値観からの解放でもあります。
縛られた価値感から解放されることは、自由であって結果として浄化になるかもしれませんし、気持ちが自由になるかもしれません。
また、社会のなかでの偏った考えも否定されていきます。
つまり、スピリチュアル的な言葉でいうと「浄化」が進みます、という事でしょうか。
社会では、見えないことろで行われている不正や不公平に対して修正していく方向だったり、また否定されている価値感に対しては、偏見の修正が行われるでしょう。
ただ、このプロセスはそう簡単ではないはずです。
土星は最初は見えないものへの苦手意識から自覚するので、心や占い、宗教性への苦手意識、拒否として現れてくるかもしれません。
また感受性の強い魚座に、否定的な土星が入るので、人の気持ちがわからない、同情することができない、共感できないという自分自身へのテーマがあります。
さらに、人の気持ちがわからない人への苦手感とも、して現れるので、これを課題とする事になりそうです。
誰かと共感してつながりたいのにできない、という部分が自分に向いてしまうと自分に必要以上に「やるべきこと」を課したり、犠牲的な行為をしたり。
あるいは、共感しすぎて、自分がわからなくなってしまいそうです。
最初は土星はめんどくさいものだったり、イヤなものとして感じられます。
でも、この人生での最終目標を示すものであり、味方にすればこれほど確かな天体はありません。
では、魚座の土星では、どうするか。
まず、大事なものがナニかがわからないのであれば、それをハッキリさせることからです。
そのうえで、感情の切り分けをしたうえで、誰かの気持ちに共感できることは大事です。
あるいは、自分がなにかの犠牲になっているのであれば、最初に犠牲者である事を認めることも必要です。
認めるととても、不条理だしアタマにくるし、無力だと思うかもしれません。でも、そこに立つ勇気も大事なのです。
見て見ぬふりをするのではなく、事実をみることです。
そして、ワンワン泣いたあと、私は悲しいと言葉にできたら、かなり、土星はあなたの味方となっているはずです。
しかし、一方で、被害者と被害者意識は別です。
自分自身のイメージとして自己犠牲とか被害者意識、ダメな自分も向かいやすいので、自己肯定感、自尊感情を意識することは大事です。
「自分のままでいい」というPOPの歌詞にも要注意です。
いまのままでいいわけは、ありません。
必要であれば、対象と距離をとること、相手にノーを言うことも必要な事もあるでしょう。
また、外側からの視点としては、他者に同調して一緒に泣いたり感情の海に飛び込む勇気も必要ですが、一方で、ねぎらいと賛同を丁寧に伝えることも大事だと思います。
同調して一緒に立場にありながら、秩序を持っていること。
そして、理想や夢を形にすることも、この土星のこれからのテーマとなるのです。
自分のなかの大事なものはナニかがわかったうえで、それを冷静に対象化し、現実のものとするには、どうするかという順序だと思います。
でも、すでに魚座には海王星があるので、現実化のテーマがぐずぐずになりがちです。
理想や夢をどう現実化するか、夢見る力が試されるのが魚座の土星の時間でしょう。
なんとなく、これっていいなということに対して、パチっと焦点があうのです。
すると、どうしたらいいのかという事になるとめんどくさいし、苦労もあるけれど、それが現実となるのです。
「いろいろな価値観があっていい」とか、「価値観からの解放」ということは、今自分が持っている価値観が否定される事もあるでしょうし、そうはいっても日常に生きている自分の価値観がなくなるわけではないので、実生活をどうやりくりするかは、常に気にしておきたいところです。
水瓶座の土星は「いろいろあって、みんないい」という価値観を現実化するために、問題提起があって、それに応える時間でした。
水瓶座に土星があったときに、多様性の問題や社会の格差の問題が明らかになってきました。それに対して、どのくらいの事が私たちはできたでしょうか。
その問題は今後、水瓶座に移動する冥王星に引き継がれます。
そして、水瓶座の示す「なんでもあり」の価値観を水平な軸だけでなく、時間軸もなくしていくのが魚座です。
土星はシステムの継続をさせる天体。
なので、なんでもありのなかから、今後も続くもの、続けられるものだけが残っていくのです。
そして、私たちは12サインの最後にある「なんでもあり」の魚座の価値観を持ちながら、「新しいものならなんでもいい」の牡羊座の木星の価値観が社会のなかでひろがっていく世界に向かいます。
上の方で回転寿司の動画について書いています。
思いついたことを後先考えずにやってみる、チャレンジしてみるという牡羊座の木星はこれを拡大していく一方で、面白ければ、なんでもいいわけじゃない、という魚座の土星がルールと結末をつけていきます。
ここまで読んできて、「私はどうなの?」と気になって長文を読んできた方もおられると思います。
12サイン別、あるいは3区分(活動宮、不動宮、柔軟宮)、4元素(火地風水のサイン別)に考えられることはあります。
でも、私はサインより先に感じるのは、あなたのどのハウスに土星がありますか?を考えてほしい。
そして、本質だけを残す、ホンモノだけを続ける土星が、あなたにとっての意味ひとりひとりあると思うのです。
なので、ネットで情報を細切れにつまんで怖がるより、鑑定でお話をしたいのです。
チャートは、MyAstroChart さんで作りました。
コメント
いつもTwitterでお見かけしております
タイトルが気になって読んでみたところ、とても参考になりました。お礼にアマゾンほしいものリストからギフトを送らせていただきました。
素晴らしい記事をありがとうございました
りゅうのなみだ様 この度は、ありがとうございました。
長いブログになっておりますが、また読んでいただけるような内容を目指したいと思います。