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天王星が牡牛座へ 2018年 歴史・経済

2018年の大きな天体イベントのひとつに、天王星の牡牛座へ移動があります。
書いていたら長くなってしまったので、いくつかに分けることにしました。

まず、過去の歴史を。

2018年5月16日に天王星が牡羊座から牡牛座に移動します。
天王星は、2010年3月に一度、牡羊座に入りました。
その後、本格的に牡羊座に入ったのは、2011年3月12日。東日本大震災の翌日。
今回は、2018年5月16日に牡牛座に入ったあと、11月に牡羊座に戻ります。
その後、2019年3月6日から、本格的に牡牛座に移動となります。

だいたい、こんな感じです。途中の逆行は省略しています。

天王星は土星の外側にある天体。
土星は、社会や規則といったこの世の規則を示しています。個人では、人生の到達点を象徴します。
天王星は、その外側なので、土星の示す枠を壊して、新しい価値を見いだしていく天体です。
一方、牡牛座は、土のサインに区分され、実際の五感や身体を示すサイン。さらに、身体、生活を維持するためにお金、経済も象徴します。

2011年の天王星の牡羊座へ移動は東日本大震災の記憶とともに、大きな衝撃がありました。

今回、天王星が牡羊座から牡牛座にサイン(星座)を移動するので、また、あのような自然災害や大きな事故が起こるのではないか、と感じている方も多いかもしれません。
しかし、前回は春分点をまたぎ、活動宮の牡羊座に入ったので、急激な変化を象徴していたのですが、今回の牡牛座入りは、不動宮への移動であり、そのときの天体配置からは、そのとき、すぐという変化はでてこないと考えています。

しかし、2018年の春分のチャート(天体配置)では、自然災害、地震や火山などの地面が動く事が象徴されている配置なので、天王星の牡牛座入りとは別に、この1年はいざという時の準備はしておく方がよいと思います。春分のチャートについては、こちらの記事で。

前回、牡牛座に天王星が入った事を振り返ってみます。

前回、牡牛座に天王星があったのは、1934年から1941年。
第二次世界大戦(アジア太平洋戦争)の前でした。1932年に満州国が建国され、1941年12月に真珠湾攻撃が起こります。
1934年には、金融恐慌を沈静化させた高橋是清氏が6度目の大蔵大臣に就任しています。
インフレーションの再燃を危惧した高橋氏は、公債漸減の方針を打ち出し、軍事費の圧縮に乗り出します。
これが、軍の反発をかったとされています。
その後、1935年3月には、天王星は本格的に牡牛座に移動し、1936年2月26日の2.26事件で高橋是清氏は、暗殺されました。

また、1934年には東北地方では、記録的凶作が起きています。
この天王星が牡牛座に入る前の1930年には、デフレ政策と豊作による農業恐慌が起こり、その翌年の冷害、さらに、1933年の昭和三陸地震と津波による被害と続き、生活を圧迫しています。

戦争については、同座した土星や、蟹座から獅子座にあった冥王星に関係していると思うので、必ずしも牡牛座にあった天王星だけに原因を求めませんが、日本が戦争に至った経緯に、金融恐慌とインフレーションの再燃という事があったのは、牡羊座から移動する牡牛座の天王星が象徴しているように読めます。
牡牛座天王星の数年は、戦争に向かう時代であり、生きること、身体を維持することに、あらゆる事をして必死だったと思います。

また、同じ土のサインである、山羊座に天王星が入ったこともみてみます。

前回、山羊座に天王星が入ったのは、1988年2月。
その後、逆行で射手座に戻り、1988年12月から山羊座に本格的に移動し、1996年まで山羊座に留まります。
この時期は、バブルの最高潮から、その後に続くバブル崩壊の時になります。
バブル経済の時期は、1989年12月に最高株価を更新したあと、1991年2月までをバブル期と言われることが多いようです。
路線価は1991年頃から下降していたのですが、社会的な実感としてとらえられるのは1993年頃からとも言われています。それまでの期間は、実際に価格が下落しているにも関わらず、楽観していたという風潮もありました。

このときのバブル経済は、1985年のプラザ合意に原因を求める事が多いようです。
プラザ合意によって引き起こされた円高不況に対し、金融緩和政策、財政出動といった政策から生まれたものです。
企業の余ったお金が、不動産へ流れていったものがバブルの発端と言われています。
山羊座の象徴する土地、建築という部分に新たな価値をみつけたのがバブルの発端であり、これは、地価はどこまでも上昇するという幻想と、その錯覚から冷めていくさまが、バブルの崩壊であったように読めます。

そこで、今回の天王星の牡牛座への移動を考えます。

現在、日本ではトリプルバブルといわれる状況です。
トリプルの3つとは、株価、東京都心の不動産、ビットコイン(仮想通貨)の3つです。このうち、ビットコインは、すでに崩壊しています。
また、株価を支えているのは、公的資金が支えていると見られていて、これは健全な状態ではありません。
不動産についても、実際に住んでいるわけではなく、投機目的での高騰であり、いまは、やや拡大していた市場も減速し、かげりが見えてきました。また、ここにも公的資金が流れ込んでいると読んでいる方もいます。

バブルといっても、生活実感とはかけ離れている、と感じている方も多いと思います。
しかし、前回のバブル崩壊後、失われた20年、リーマンショックを経て、生活実感は下がっていますが、企業の内部留保は第二次安倍内閣以降、急増しています。

前回の牡羊座から牡牛座に天王星が移動した戦前のインフレーション、あるいは、同じ土のサインである山羊座へ天王星が移動した時のバブル経済。
ともに、今の状況を重ねてみると、急激な変化ではないかもしれませんが、経済、金融の大きな転換点にあることを読む事ができます。

戦前の牡牛座への移動と比較して読むと、今のトリプルバブルは、いずれ崩壊していくことにつながるように思います。
牡牛座が天王星に入る事で、今後、数年で、実際に住む土地が適正な価格で取引されていくと思いますし、実体経済に見合った貨幣価値におちついていく変化となると読めます。

土のサインに天王星がはいることは、前回は山羊座の象徴する土地、会社、国家という組織の見なおしになったのに対し、今回は、個人のお金の扱いかたに変化を及ぼすことになりそうです。
みえるところであっても、2018年には税制改革が予定されており、電力料金の値上げや、消費税10%、アメリカ抜きで11カ国が署名したTPPの発効も2019年に予定されています。
こうした動きが、生活に影響を及ぼしそうです。
また、個人のお金のため方や、生活を維持するためのお金の稼ぎ方に変化がでてくるのではないでしょうか。

今回の天王星の牡牛座入りの時には、山羊座に冥王星があり、また、最初の数年は土星も山羊座にあります。
山羊座と牡牛座は、調和的な配置です。
大きな転換点ではあるけれど、突然の強引な変化ではなく、山羊座に土星がある2020年までは、あるべきところに落着くような結果になるように思います。
この2020年までは、組織や会社でのプロジェクトとして、新たな発見があると思いますし、これを現実化していく事になりそうです。
牡牛座という土のサインを考えると、東京オリンピックをめどとした東京の再開発プロジェクトも、すすんでいくでしょう。
また、冥王星の影響があると、どんなに失敗してもやり直すような強さのある組み合わせだと思うのです。

その後は、2020年に土星が水瓶座に移動すると、資本主義、市場主義という大きなシステムやルールを見直す事になると思います。
少し先の話になりますが、この土星は今生、現実世界を生き延びることにテーマをもっていて、牡牛座の天王星の示すルールや普遍性と衝突します。
現実とフェアネスをどう、折り合っていくのか。市場主義、資本主義が解体したあと、国家にも社会にも示す理想がないという現実を、どう生きていくのかという問題がその先に見えているのです。
難しいテーマなのですが、牡牛座にある天王星は水瓶座の支配天体であり、土星も水瓶座では本来のパワーを発揮します。
個人と社会の共通の理想とする解答がきっとあると思います。

近々の動きとして、この2018年5月については、火星の動きに注意が必要です。

2018年5月16日に牡牛座に天王星がはいった翌日、火星が水瓶座に移動します。

この時、木星は逆行中。集団としての利益でなく、個人としてどれだけのモノが得られるかへテーマが移動しています。
さらに、土星も逆行中。社会的規範や良心から外れて、別の視点からモノゴトをみる時期です。
法律や組織から外れた部分で、どうするかと考えているかもしれません。
社会の常識やルールを外れた運用をすることが、大きくでることも目立っているようです。

そこに、水瓶座に火星が移動することで、社会での常識や成功、あるいは権力を行使していた火星が、個人の自立や平等であることを求めて戦いの場を移していきます。

天王星は、大きな経済システムの変換や、所有するという概念を一新していきます。
その変革は、この9月くらいまでは、従来の常識にとらわれず、あるいは、ルールを無視した個人に焦点をあてた動きとなり、火星は山羊座、水瓶座で本来の闘争心を前面にだしています。
山羊座、水瓶座の火星については、こちらの記事で。

(つづきます)


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*この記事を書いた人について
 辰巳(たつみ)
 聖地を巡礼する占い師。西洋占星術とタロットを使います。
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 薬剤師。アロマ検定1級。
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