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高橋修宏のあかり 山羊座18度【谷間の歌会】

2020年4月から占星術家SUGARさんを中心にしたサビアンに関する研究会「谷間・オブ・サビアン」に参加しています。
研究員による発表交流会である「谷間の歌会」というZoomイベントに自分が発表したものを加筆してのせます。(現在は研究会は休会で開催されていません)

2021年9月 サビアン研究会自体は山羊座後半を解説中です。
秋分をすぎてやっと秋めいてきた9月に、冬のさえざえとした星が美しい季節の解説です。
この山羊座の後半の俳句として高橋修宏(たかはしのぶひろ)さんの俳句をあげました。

「胞衣を脱ぎ原子の灯煌々と」高橋修宏(たかはしのぶひろ)

「灯」はあかり、と読みましたが、ともしび、とも読んでもいいのかもしれません。
あかりと読むと、が単に光、光源と思うのですが、ともしび、と読むと、小さな、でも心のよりどころになるような暖かさも感じます。

俳句には季節を示す言葉があります。この俳句では「灯」が相当すると思います。
でも、厳密に秋なのか冬なのか、あるいは春なのか、わかりません。
少なくとも夏じゃないな(笑 暑そうだし。
でも、すぐこれは冬だと思うのです。

なぜなら、これは東日本大震災で甚大な被害をだした東京電力の福島第一原子力発電所のひかりだと思ったからです。
このひかりは、原子炉という胞衣を脱いでメルトダウンしているひかりです。
そのひかりは、なまみの人間が触れることも、直接、みることもできないひかりですが、今も煌々と燃え続けているのです。
そもそも冥界の王の名を持つプルトニウムに象徴される原子力のあかりは、なまみの人間が扱えるあかりなのでしょうか。

高橋さんの山羊座の水星は蠍座の火星とセクスタイル。
水星の山羊座18度のサビアンは「イギリスの軍艦にユニオンジャックが旗めく」
火星の蠍座19度のサビアンは「オウムが聞いた会話を繰り返す」

見ることのできない原子炉のなかのようすを感じたオウムが、日の丸を背負った原子力発電所を語る。

「新しい日本のひかりが生まれたよ」

当初、少量のウランから 大量のエネルギーが得られるため「夢のエネルギー」と呼ばれた原子力発電所は、輝く日の丸を掲げて国策として始まりました。
さらに、オイルショックを経て、たくさんの原子力発電所が建設されていきました。
しかし、東日本大震災を経てその「国策」はどちらを向こうとしているのでしょうか。
地球温暖化、気候変動と脱カーボンエネルギーとしての原子力発電所も語られます。
それは、私たちの国の行方を支えていくのでしょうか。
あるいは、また美しいふるさとや人々の生活を破壊するのでしょうか。

また、高橋さんの太陽のサビアンは山羊座5度「カヌーを漕ぐかたわら、出陣の踊りを踊っているネイティブインディアンたち」
出陣する戦場は、経済競争の場です。
そこで打ち勝つために勇壮な踊りを踊っています。
その山羊座5度で極東の小さな島から出陣していったカヌーは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年出版)と言われ、山羊18度で世界の七つの海に日の丸が旗めく石油をのせたタンカーや自動車運搬船となりました。

サビアン研究会では同じサインでの反対側の度数もみていきます。
この山羊座18度「イギリスの軍艦にユニオンジャックが旗めく」の山羊座の対の度数は、山羊座13度「火の崇拝者が自分が生きているという究極の現実について黙想する」になります。

原子力の火を崇拝し、火だねとして生きてきた私たちが目指してきたのは、七つの海に日の丸を旗めかせ、経済競争に打ち勝っていくことだったでしょうか。

原子力といえば、それを象徴する冥王星をみます。
高橋さんの冥王星は獅子座29度で蠍座29度の土星とスクエア。
(土星も冥王星も世代天体なので、同級生はみんなこの前後に度数をもっているので高橋さんに限った話ではありませんが)

冥王星のサビアンは、獅子座29度「人魚が海岸の磯で王子を待っている」
土星のサビアンは、蠍座29度「首長に自らの子どもの命乞いをするネイティブアメリカンの女」

海岸で待っていた王子との子どもをもった女性が母となって、次の世代のために自分の命を差し出しているようです。
経済、国家という組織のなかでやわらかな命が犠牲となっているのではないでしょうか。

高橋さんのあかりはこんなあかりも詠んでいらっしゃいます。

国生みのごと御不浄の初明り

夢も希望もなく読んでしまうと、トイレのなかからみた初日の出。

国生みの神話は、イザナギ・イザナミの二柱の神様が、生まれたばかりの混沌とした大地を天沼矛(あめのぬぼこ)でかきまわし、矛先から滴り落ちた塩の雫が凝り固まった「おのころ島」から始まります。

その塩の雫から始まったこの国は、やわらかな混沌の部分を、まだ、もち続けていると思います。
冥界の王の名をもつあかりが生まれた日本ですが、その混沌からまたきっと、新しいあかりが生まれてきます。

初日の出の元旦、それを信じて、今年も生きていこうと感じるのです。

チャートは、MyAstroChart さんで作りました。


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*この記事を書いた人について
 辰巳(たつみ)
 聖地を巡礼する占い師。西洋占星術とタロットを使います。
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 薬剤師。アロマ検定1級。
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