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氣多大社 (気多大社 けたたいしゃ)

気多大社(公式サイトでは、氣多大社と表記されます)は、古くから霊威が知られており名神(みょうじん)大社として天皇陛下から奉幣(ほうへい)されている名神大社として記録されています。
また、この北陸道の能登国(現在の石川県北部・能登半島)の一の宮として、この地方をお守りいただいている神様です。

そしてまた、最近は縁結びの神様として有名になっています。
公式サイトのトップページにもご由緒とならんで「縁結び」のタグがあり、そこからご祈願を送信することができます。
そして皆さまのかなった願い事も奉納されていて、拝読することができます。
さらに「恋みくじ」のコーナーがあって、内容は恋愛だけじゃないのですが、おみくじをひくことができます。

なんと親切。

実際に参拝しようとすると電車移動でも、車でも東京からは7時間くらいかかることを考えると「なんと親切」なのですけど、もちろん実際に参拝することに勝るものはありません。

そして、いまは縁結びがフューチャーされているのですが、そうなのかな?とはと思うのです。

ご由緒について公式サイトでは越中守であった大友家持の万葉集での歌が文献で読める最古の記録であるとしています。
一方、社伝(気多神社縁起)によれば、第8代孝元天皇の御代に祭神の大己貴命が出雲から300余神を率いて来降し、化鳥・大蛇を退治して海路を開いたということになっております。
日本海に面したこの場所は、朝鮮半島にも近いことから外来の人たちが海をわたってきたことは想像できるのです。
それはこの地にくるまでに見た日本海の荒さからしても、縁結びということより武神、国を守る神様というイメージがあります。

あるいはそれを反転してみて、外からやってきた神様をこちらにお迎えしてこの地をお守りいただいた、という事もありそうです。

そうした事を考えていたら、この地に折口信夫(おりくちしのぶ)の養子である折口(藤井)春洋(おりくちはるみ)の出身地であることがわかりました。
折口信夫の歌碑もあり、この気多大社もゆかりの地であるようです。

折口信夫といえば、「まれびと(客人)」の研究者です。
外からやってくるモノ、外来の神様である「まれびと」の研究者である折口信夫は、気多大社の「けた」は橋桁(はしげた)のけたではないかと言及しているようです。
この橋桁は、「間のあいている渡し木(桁)のことで、海から寄り来る神の陸地へ上がる足溜まりの事」だとしているようです。
防衛としてもお祀りするとしても、海からやってくる神様のためのお社です、というと納得できる雰囲気があります。

ご祭神については、公式サイトでは、ご由緒のなかにに本殿(大己貴命)とさらっと書いてありました。また、入り口の案内板には、大国主神(おおくにぬしのかみ)(またの御名を大己貴命 おおなむちのみこと)とありました。

入り口にあった境内図です。
ご社殿の後ろの森(入らずの森)の大きさがわかりますし、折口信夫の歌碑もあります。

とかなんとかより、とにかく現地でお参りすることが大事なのでうかがいます。

一の宮というと、のびのびとした空気感があるのですが、ここはありません。

門のあたりから「参拝順序」の看板があります。
このときは平日の昼前だったのであまり混雑していませんがアナウンスもあって混雑する事も多いのだと思います。

(気多大社のyoutubeサイトは充実していて、参拝順序の動画もありました)

参拝順序ではまず「幸せむすび所」に向かうのですが、(柵があるのが写真でも見えます)
ここは祈願所で縁結び絵馬がたくさんあります。

ここを過ぎてご挨拶します。
最初は、向かって左側「若宮神社」でご挨拶、そのあと「拝殿(案内板では本殿の表記)」です。向かって右側は「白山神社」

古い神様。
案内板ではこのご社殿が本殿とありましたが、気持ちはこの背後の森に向かいます。
背後の森は聖域とされていて、立ち入ることができない入らずの森と呼ばれています。ここに奥宮があるそうです。

そしてヤマトの神様とは違う雰囲気がありますし、他の一の宮とも違うご様子です。
畏れ多いご神威を感じ、ご利益というような雰囲気はありません。

若宮神社(事代主命)と公式サイトのご由緒にありましたが、白山神社については記載がありません。
しかし、白山神社であるなら菊理媛神あるいは、菊理媛命(ククリヒメノカミ、ククリヒメノミコト)であると思います。
菊理媛命は、イザナギ、イザナミの神話で冥界との間にある泉平坂(よもつひらさか)でご縁を結んだ神様。

公式サイトでは拝殿を通って、本殿の前までバーチャルで進むこともできます。

向かって右側のお社のとなりに神庫があります。
そして参拝順序にしたがって、守札所の前をとおって右側へ。

途中、入らずの森にむかう入り口がありました。
案内板には「楊田神社」とあった場所ですが、お社は見えませんでした。
荒御魂神あるいは迦具土命(カグツチノミコト)をご祭神としているサイトもありました。母イザナミに大やけどを負わせた火の神さまです。

こちらから奥宮へ遙拝。

奥宮には素戔嗚尊(すさのおのみこと)と奥様の奇稲田姫命(くしなだひめ)がおられるそうです。
ここの流れがすごい。森には3つの円墳があるとするサイトもありましたが、根拠は未確認です。
ただ、近くには遺跡が発見されているので、入らずの森を中心とした祭祀がこの神社の始まりであったとしても、不思議はないように感じます。
ただ、それも他の古墳にあるような、のんびりとした雰囲気はありません。

森から流れてくる小川のせせらぎがとてもすがすがしかったです。

境内の摂社 菅原神社

学問の神様、天神様なので合格祈願の絵馬が奉納されています。
また、こういった場所におられるときは、学問の神さまというより、雷の神さまであって、雷による火事を防ぐ、火防(ひぶせ)のお役目もあるように思います。

太玉神社
御祭神は天太玉命(あめのふとだまのみこと)

この神様も古い方。
こういった古い神様のお名前がそのまま残っていることに、いかにこの地が大切にされ、この地の皆さまがご奉仕されてきたのかがわかります。

氣多大社では珍しいお祭があります。
七尾市の鵜浦町で生け捕った一羽の鵜のお祭である鵜祭です。
遠く七尾市の鵜浦町で生け捕った一羽の鵜を、同地の鵜捕部三人が鵜籠に入れ、二泊三日の道中をしてこちらにつれてきて放つ、というお祭りです。

また、石川県七尾市の所口町にある気多本宮へ渡御する平国祭もあります。
気多本宮とは、現在、能登生國玉比古神社とされています。

七尾という場所は気多大社からみて、能登半島の向こう側。
このお祭は、その七尾の地から、この羽咋の地まで神さまが鵜に乗っていらしゃるご様子なのだと思います。
また、七尾の気多神宮とのつながりもありますし、海からやってきた神様、王子、権力者がいたことを伝えていると思います。

「異国の常時が三百余人をつれた大船にのって渡来した。藻塩火で焚きあげられた場所を居場所と定め、その王子が死後、塵灰となった居所のあとにあらためて神座とした」と。(根拠は未確認ですが、こちらのサイトを参照しました「神奈備にようこそ」 → http://kamnavi.jp/uga/ugakosi.htm )

歴史として考えると、ヤマトと蝦夷、あるいはヤマトと朝鮮半島との戦い、あるいは山陰の勢力がここにやってきたとも考えられます。

また、この近くには古墳や遺跡が発掘されています。
羽咋川(はくいかわ)旧河道南岸にある寺家(じけ)遺跡からは祭祀に使われたと思われる出土品があります。
この寺家遺跡で行われていた祭祀が、砂州の移動によりこちらの地に移したと考えられているようです。

鳥居の横には大国様がおられました。
海からやってくる神さまである恵比寿(えびす)さまが気多大社の神さまであるなら、それとペアとなる大国さまもおられるべきなのです。

となりは正覚寺。明治の神仏分離以前はお寺も神社もひとつ。気多大社の神宮寺のひとつです。
案内板を見るとお寺は本殿を向いています。
拝礼していらっしゃるんだなあ。

公式サイトがフィーチャーしている縁結びだとか、スピリチュアルな神社としてネットでは紹介される事が多いのですが、そんな「甘口」の神さまではないと思うのです。

最初の頃に「日本海の荒さ」と書きました。
でも、というより映えスポットして推されているフォトスポットもありました。
縁結びの神さまだとしても、客人(まれびと)の神さまのだとしても、海をわたってくるもの、海の向こうにあるもの、見えないものはいつも、私たちをドキドキさせます。

氣多大社 https://keta.jp/

近くの徳光海岸の「LOVE」モニュメント

折口信夫・春洋父子 ゆかりの地(羽咋市のサイト) https://www.city.hakui.lg.jp/soshiki/kyouikuiinkai/bunkazaishitsu/4/2/818.html

けたじんぐう(國學院大学デジタルミュージアム) http://jmapps.ne.jp/kokugakuin/det.html?data_id=31964

氣多チャンネル 参拝順序の動画

氣多チャンネル 入らずの森の動画
https://www.youtube.com/watch?v=LGgCA9Vrwqo

ふとたまのみこと (國學院大学デジタルミュージアム) http://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/futotamanomikoto/

七尾市のサイト 鵜祭について(PDF) https://www.city.nanao.lg.jp/koho/shise/koho/kohonanao/h19/documents/2.pdf

能登生國玉比古神社(石川県神社庁) https://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/shrine/j1369/

気多本宮縁起 (御祓地域づくり協議会) https://misogilife.com/history/%E6%B0%97%E5%A4%9A%E6%9C%AC%E5%AE%AE%E7%B8%81%E8%B5%B7 

能登の里山里海デジタルアーカイブ の鵜祭動画 https://youtu.be/wLzbZblX4Hs

史跡寺家遺跡を知り、守り、伝える。(全国遺跡総覧(奈良文化財研究所)から) https://sitereports.nabunken.go.jp/90907

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*この記事を書いた人について
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