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街場の天皇論 (追記)皇太子殿下の基調講演について

カテゴリーとしては、「おすすめのもの」に入れるのですが、実はこの本については、誰にでも「おすすめ」ではないのです。
しかし、今上陛下の2019年のご譲位と、政治状況が安定しない現在、これは自分へのメモとして記事にしておきます。
自分のメモながら非公開にしないのは、何人かは「お好きな方」がおられて、興味を持たれる可能性があるので、一応、公開しておきます、ということです。

この本の大部分は、著者の内田樹さんが、書かれたりインタビューされたものを再構成しているので、この本のなかでは、重複する部分もあります。
それに、「海民と天皇」という書き下ろし論考が、おもしろかったです。

さらに、これを書いているのは、東京大空襲や東日本大震災から7年という時期で、死者とか海というワードにもつながりを感じています。

以下、メモとして。

2016年8月の天皇陛下の「お言葉」について。

その時の陛下のメッセージとしては、「この憲法を守ります」というものであり、それは改憲をめざす安倍首相とは相容れないものだ、と内田さんは書いておられます。
また、陛下のおっしゃる「象徴的行為」とは、死んだ者への鎮魂であると。
それだったら、皇居で祈っていればいいという反論があるかもしれませんが、それでは対象がぼんやりしすぎる。
だから、陛下は激しい戦闘があって多くの人が亡くなった戦地や、地震や津波に襲われて被害をうけた地に、出向いていかれる。
そこで亡くなった者、敵も味方も被災者もすべて、その場にあった者、と明確に限定して鎮魂しておられるのだ、と。
また、陛下はその場で亡くなった者のすべての死者を背負うという霊的スタンスにあるのに対し、一方、安倍首相は、自分の血縁者だけを選択的に死者として背負っているスタンスである、というのが内田さんの論考。

私は、安倍首相の背負う血縁者といっても、そこで選択されている死者は、岸信介さんだけのように思います。
以前から、この方は岸信介さんを背負っていると感じていました。
そして、なぜか、もう一人の祖父である、お父さんの安倍晋太郎の方の祖父である安倍寛さんの影は感じられないのです。
それは、母親である安倍洋子さんの影響が大きいのかもしれませんが、よくわかりません。
しかし、この内田さんの「背負っている死者」というキーワードで、天皇陛下と安倍首相の違いは理解できます。

さらに、対米従属テクノクラートによる「日本はすでに主権国家であるので、主権奪還を願うというのは無意味かつ有害なことであるという刷り込み」という論考もありました。

そして、「海民と天皇」という論考は、おもしろかった。
ワタツミの神が、イザナギノミコトの禊ぎで産まれたという古事記の記述は、海民を取り込んだ倭の王の側の神話として残っている、と。
それから、日本という国は、稲作を中心とした農業国と意識しているのは、中国からの律令制の導入によってであって、歴史の間では、平家に象徴されるように海民性が顔を出してくる時がある。
そして、時として海民は天皇から「供御人」とされ、また、徳仁親王は、テムズ川の研究というテーマをもって、結びつくのだ、としている。

確かに、今、海は陸地の限界というところでしかとらえられていないし、土地の霊、祭祀という事は意識するけれど、海の霊、海の祭祀は、普段は意識していない。
もちろん、海の上をいく鹿島神宮や、宗像大社のお祭りはあるけれど、それは日常ではない。
しかし、本来、日本人は「海のものとも、山のものとも」というようなところにあり、海と陸、移動と固定という間にあるものではないか、とされている。

私は、ヤマトに取り込まれ、あるいは、まつろわぬ神とされている神社の神さまで、大甕神社など、海に関する神さまがとても印象に残っているので、海民と天皇という結びつきは強く印象に残りました。

背負っている死者と、海民。
こちらの本からいただいたキーワードです。

街場の天皇論

象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(ビデオ)(平成28年8月8日) 宮内庁のサイト

内田樹さんのブログ
世阿弥の身体論
天皇制についてのインタビュー
対米従属テクノクラートの哀しみ

(追記 2018年3月24日)
皇太子殿下が「世界水フォーラム」へ私的訪問として、出席されて基調演説をされました。
水や水運について30年以上、研究されていらっしゃいます。
昔は、この水問題、水運ってなんだか、ピンと来なかったのですが、海民としての天皇という内田さんの視点からみると、このスピーチもその向こう側の「消失点」が見えてくるように思えるのです。

この基調講演のなかで
「水問題の解決は、私たちの最終目標に向けた一里塚にすぎません。その先には、水を通じた人類の繁栄、平和、幸福があります」
とおっしゃっています。
区切りのない、ノーボーダーである水、水運をとおして陛下が、日本だけでなく人類のその先を見ておられると思います。

過去の皇太子殿下の水フォーラムにおける発言は、宮内庁にありました。
今回の基調講演は、まだ宮内庁のサイトにはあがっていませんが、いずれここで読む事ができると思うので、リンクをはっておきます。

皇太子殿下のご講演 宮内庁のサイト

そして、皇太子殿下の講演では「わかりやすいところ」だけが抜き出されて、ニュースとなっていますが、こうして全体を拝読しますと、仮説の検証という論文のカタチにはなっていないけれど、メッセージを裏打ちする研究をされていることがわかります。

占星術でみてみたい、というのは、私のサガです。

今上陛下は天王星がリターンして、個人にもどります、という配置に対し、皇太子殿下は、いま、ちょうど二度目のサターンリターン。
サターンリターンは、人生の目的を着地させる時期、とお伝えしますが、「人生の目的」というには、畏れ多い事でございます。

そして、今月、今上陛下は、沖縄をご訪問されます。
天皇陛下としてのおそらく、最後の沖縄のご訪問です。
最初に沖縄を訪問されたのは、皇太子時代の昭和50年7月。慰霊碑「ひめゆりの塔」で供花した際に火炎瓶を投げ込まれる事件が起きました。
沖縄の当時の雰囲気や、県民の感情を知らなかったので、私はとても衝撃的で、美智子妃殿下がさっと、陛下をかばうように手をだされたのが記憶に残っています。

陛下はその夜、沖縄への思いを込めた談話を出されました。

「多くの尊い犠牲は、一時の行為や言葉によってあがなえるものでなく、人々が長い年月をかけて、これを記憶し、一人一人、深い内省の中にあって、この地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません」

陛下のお言葉は、こうして記録と記憶に残ります。そして、それは変わらないものです。
そして、変わらない事で、背負っている死者は、いつまでも背負い続けておられる事を感じとれます。
それを見て、私たちがどれほどの安堵を得ることがあるでしょうか。

被災地などの訪問先で、陛下の「おつらかったでしょう」の言葉で、涙をながす人は、たくさんおられます。
何かが報われた、あるいは、霊的に着地できたと感じる事だと思うのです。

一方、安倍首相の「おつらかったでしょう」という言葉で(寡聞にして聞いたことがないけど)涙を流す人が、おられたのでしょうか。

ちなみに、安倍首相は、二度目のサターンリターンで、再度、内閣総理大臣に戻っています。
その現政権においては、公的文書や国会議事録の書き換え、ねつ造、削除が、行われています。
安倍首相は、乙女座で柔軟宮だから、言うことがコロコロ変わる、という話もあるようですが、それについて書き出すと長いので、それは別の機会にするとして。

それに対し、海外からは、日本人の「おとなしさ」についての報道もあります。

私は、でも、おとなしいのではなく、精神的な支柱がまだあるから、ではないかと思うのです。

くるくる変わる政治に対して、変わらない支え、日本人の心的支柱として、「象徴として」天皇陛下が、おられることが、かろうじて私たちの何かをささえているのではないかと思うのです。

今後、天皇陛下のご譲位、東京オリンピックという時期は、山羊座に冥王星、土星、木星が運行します。グレートコンジャンクション、または、グレードリセットと言われ、先の見えない時に、精神的、あるいは霊的な支柱があることを、幸運と感じるのです。

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