渋谷といっても、駅からは10分以上離れて、静かな高台にある神社。
お久しぶりです。ご社殿の屋根の銅の色もずいぶん、落着きました。以前の記事は、こちら。
でも、後ろ、工事中なんですね。
どちらの氷川神社も、ご祭神は素盞鳴尊(スサノオノミコト)が多いのですが、それとともに、高台にあるのが多いのです。
氷川神社は、水と疫病退散の神さま、というのが私の印象です。
この渋谷も駅のあたりは谷底で、そこに川と湿地がありました。いまも渋谷の駅前は、ちょっと下水くさい時があります。
湿地はそのあと、田んぼとして使われていきますが、治水には苦労したと思いますし、そこを発生源とする伝染病、感染症も多かったと思います。
神さまは、最初は川の氾濫を鎮める水の神さまであり、伝染病の流行を鎮めてもらう神さまであったはずです。氷「川」ですし。
水神と疫病退散の神さまが、スサノオで、氷川神社は、水を望む高台にあると思っています。
氷川神社、あるいはスサノオ独特のコワさがあります。
ちょうど、この前に國學院博物館で「惡」についての展示をみてきたところ。
スサノオもアマテラスに逆らって、根の国(黄泉の国、死の国)に去っていく存在として神話に書かれていますが、そのパワフルな力は、いまもここに鎮まっていらっしゃる。
境内のなかには、ちょっとここは、という場所もあって、そこもコワい。
御朱印帳かわいいし、毎月限定の御朱印がいただけるそうです。
毎月15日。いいご縁の日、だそうです。
もちろん、縁結びの日限定の御朱印もありました。
御朱印はスタンプラリーではないので、あまりそればかりというのもどうかと思うのですが、毎月、決まった神社にお参りする、というきっかけになるなら、いいんじゃないのかな。
このコワいスサノオと奥さんのクシナダヒメのお話が「縁結び」になっている、というのですが、どうもピンとこない。
むしろ、ご祭神のもう一柱、スサノオのお子神さまであり大己貴尊(オオナムチノミコト)の方が、モテたから、縁結びじゃないのかな、と思っています。
ただ、この神さま、モテたので女性側からみると、どうなの?とは思うのですが。
そして、このオオナムチも国譲りを要請され、去っていくのです。
どちらの神さまも、見えない世界に去っていかれて、そこを守っていらっしゃる。
「縁」というのは、見えない世界でつながれているもの、なので縁結びの神さま、という事なのかな。
そして、そもそも水に関係のある神さま。
水は感情を溶かし込み、移しやすい媒体。それを扱うことのできるという事もあるのかもしれません。
ただ、基本は、コワい方なのであまり、大騒ぎしないで、心静かにお参り、がよいと思います。
長い時間を経て、自然にもどっていくような姿でガンバって神さまにお仕えしています。かわいいね。
氷川神社 (渋谷氷川神社) 神社庁のページ