遠江国の一の宮。
社号の「ことのまま」とは、「願い事のままにかなえてくださる」ということだとありました。
平安時代の清少納言の書いた枕草子に「ことのまま明神いとたのもし」と書かれたとあります。
創建は不明でありながら、807年坂上田村麻呂が勅命をいただいて、当社を再興したと伝わっているとのこと。
「再興」とは、本宮山にお祀りされていましたのを、こちらの里宮に遷宮されたことを指しているそうです。
一の宮とお聞きしたのですが、ここ、なんだか不思議です。
一の宮独特の伸びやかな空気感がなく、地元の神さまっぽい
そして、ご神木ではないと思うのですが、圧倒的な迫力のある楠。
よほど、この木が気になったようで帰ってからみると、十数枚も写真がありました。
でも、まず本殿にご挨拶しないとね。
階段になっていて、その先の少し高いところに拝殿があります。
ご挨拶します。
やっぱり、他の一の宮とはちょっと違います。
柔らかい。
ご祭神は、己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)
ちょっと珍しいご祭神です。
天児屋根命(あめのこやねのみこと)の母神さまで、言霊の神さま。
真を伝えられ、言霊の力で縁を結ばれる方。
中央の権力の神さまではなく、しかもお母神さま。
そして、八幡さまもおられるので、最初は八幡さまの印象がつよいです。
でも、一応というか、ちゃんと天照大神もおられます。「西の宮様」と称されています。
本殿の西側にある、ということなのか、西の方(伊勢とか大和とか)から来た神さまということなのかな。
ここはお稲荷さん。どこでもお稲荷さんはいてみなさんから崇敬されているし、どこでも御利益をいただいている。
山になってしまった鯨の伝説があるそうです。
本来はこちらから入るんだろうな、と思います。
というのも、この赤い歩道橋は本宮に続いていくのです。
この先の本宮にもともと神さまがおられて、ここに坂上田村麻呂がお移いただいたという事であれば、この山の上の本宮にお参りしたいのですが、結構急な坂。
こちらから遙拝させていただきました。
縁結びとしても御利益があるんじゃないかと思うのです。
結構、若い女性もお参りされていました。
言霊をお遣いになる母神さまと八幡神さま。
一の宮って、その地域のご加護をされるけれど、個人のお願いごとはご眷属がされる、というところもあります。
でも、こちらの神さまは「縁結び」とか、個人のお願いもすくいあげてくれるような気持ちの温かいところがありました。
「くじら山の伝説」事任八幡宮の崇敬会のページ