2020年4月から占星術家SUGARさんを中心にしたサビアンに関する研究会「谷間・オブ・サビアン」に参加しています。
研究員による発表交流会である「谷間の歌会」というZoomイベントに自分が発表したものを加筆してこちらに書きます。(現在は研究会は休会で開催されていません)
2020年12月 サビアン研究会自体は乙女座前半を解説中でした。乙女座前半は、8月下旬から9月上旬のあたりです。
なので、私は夏の名残のある俳句を選びました。
「羅(うすもの)や人悲します恋をして」鈴木真砂女
7月から8月まで着物は裏地がなく、しかも透ける素材である絽(ろ)、紗(しゃ)、羅(ら)を着ます。
これらの素材はうすもの、と呼ばれます。
また、帯も透ける素材のものをつけ、涼しげにします。
そして、9月になるとこのうすものを着ているのは野暮で、裏地のないけれど透けない素材の着物に替えます。裏地のないものは、単衣(ひとえ)といいます。
帯もそれにあわせます。
夏帯は夏の間だけつける帯。
いまはどこでも、冷房が入っていることが多いのですが暑い!のが事実です。
でも、それを涼しげにつける粋。
そして10月になると裏地のついた袷(あわせ)の着物を着るのです。
袷は春になるまで着る着物ですが、特に絵柄などに秋らしい花や意匠がこらされているものは秋袷といって、秋のほんの少しの間だけ着るものです。
「着物警察」というネット言葉があるように、いろんな決まり事がある日本の着物ですが、私個人は自由に着ればいいと思うのです。
でも、一方でそのルールを楽しむことも贅沢な遊びだと思うのです。
この作者の鈴木真砂女さんは、鴨川の大きな旅館に生まれ、結婚したあと恋人ができて駆け落ちしたという方。
50才になって離婚をされてから銀座に「卯波」という小料理屋を開店して、そのお店は俳人も多く通い、頻繁に句会も開いていらしたようです。
そんな彼女の写真をネットでみると見事に着物をこなしていらっしゃる。
そして、着物に関する句もたくさんあるのですが、若いときから「卯波」をきりもりされていた頃まで、その着物の俳句を並べてみると彼女の背中が見えてくるようです。
太陽は射手座1度「退役軍人が古い記憶を呼び覚ますために集まる」
真砂女さんに「退役」はありませんでしたが、「退役軍人」はアメリカでは大きなパワーをもった勢力です。
「卯波」がそういった場であったように思います。
鈴木真砂女さんの他の俳句
夏帯や運切りひらき切りひらき
恋すでに遠きものとし単帯(ひとえおび)
夏帯に泣かぬ女となりて老ゆ
単帯をとこ結びに日曜日(銀座のお店は日曜定休が多いので卯波も休みだったのかな)
秋袷小をんな小店きりまはし
死なうかと囁かれしは蛍の夜
チャートは、MyAstroChart さんで作りました。