2020年4月から占星術家SUGARさんを中心にしたサビアンに関する研究会「谷間・オブ・サビアン」に参加しています。
研究員による発表交流会である「谷間の歌会」というZoomイベントに自分が発表したものをこちらに書きます。(現在は研究会は休会で開催されていません)
2020年8月 谷間の歌会のお題は「茄子」だったのですが、研究会自体は蟹座後半を解説中でした。
なので、私は蟹座の7月上旬の雰囲気のある俳句(というか短歌)を選びました。
「塩素臭漂うプールサイドから見る理科室の人体模型」笹公人
小学校、あるいは中学校のこの夏休み前の時期、体育の時間はプールでした。
そのプールサイドから授業のやっていない理科室に人体模型を見る、という状況。
ただでさえ、理科室の人体模型は怖いのに、授業をしてないと真っ暗。
さらに、コワい。
一方、その理科室の匂いと同じようなケミカルな匂いのするプールは炎天。
対比されるのは、真っ暗な理科室にある筋肉やら骨やらの人体模型。
生命力にあふれた太陽の下の子どもの声と、暗闇にあるモノをいわない人体模型。
この季節、東京ではお盆の前。死者がやってくるイメージとも重なります。
笹公人さんの太陽は蟹座16度「男がとても古い書物を頼りに、自分の前にあるマンダラを研究している」
16度はそのサインが「やぶれる」といわれる度数。ドデカモリーは山羊座にかかっていくところです。
プールサイドから理科室の、しかも暗闇にある人体模型が実際に見えているわけじゃないと思うのです。
でも、なんとなくこの句を読むと誰もがイメージがわいてきてしまう。
学校も蟹座を思わせます。特にプールは水なので水サインの蟹座。
対抗の山羊座は骨格、骨を象徴とするので、その骨格標本である人体模型が学校のなかにあるという象徴も感じます。
夏の学校のプールでの幻想が共有されます。
笹公人さんの他の作品
レントゲン写真に肋骨写らないアダムと名乗る生徒の微笑
「ドラえもんがどこかにいる!」と子供らのさざめく車内に大山のぶ代
妹の占星術を嘲笑すプラス思考の兄の初恋
サビ研では「おなじみ」の北王子翼さんとの対談がありました。
2020年2月 【対談イベント】俳人・北大路翼×歌人・笹公人 https://www.shunyodo.co.jp/blog/2020/02/taidan_sasa_kimihito_01/
チャートは、MyAstroChart さんで作りました。