占星術では、その方のお母さん像としてどこを読むか、というテーマがあります。
天体としたら月。
特に、出生時間は不明の時は、月で読みます。
そして出生時間がわかる方は、ハウスをとれるのでハウスで見ます。
ハウスとしたら家庭を示す4ハウス、特にIC(天底)とする考えと、
子供が目指すものという10ハウス、MC(天頂)という考えがあります。
私テキには「母親MC(エムシー)IC(アイシー)問題」と呼んでおります(笑
私テキな呼称ですが、結構、いろんな研究者、占術家、先生によって違うのです。
4ハウスの家庭をいうイメージをつくっているのが母親だという事で4ハウス、ICを読んでいるのですが、「お母さんが家にいる」というのは昭和までのイメージかもしれません。
サザエさんの家みたいな。
そして、その人にとっての「居場所」のイメージはそれぞれなので、必ずしも家、家庭という事はない場合があります。
自宅以外に居場所がある、という方もおられます。
ただ、そこは完全に安心できる環境である必要があって、それがあるからこそガンバって社会にでていけるという場所です。
なので、ほぼ仕事場にいます、そこが居場所です、という方でも、そこが安心していられる場所というと、違うと思うのです。
ほぼ仕事場にいるという方でも、そこで安心してパジャマでゴロゴロできるかどうか、という事で考え益す。
パジャマでゴロゴロしていても安心が確保されている場所、そこが居場所です。
そして、寝る場所、自分の意識の底、気持ちが帰る場所という4ハウスというのは、昭和であろうと、令和であろうと変わらないです。
一方、子供が最初に社会にでていく時に「よくできたねえ」とほめてもらうのが、うれしくて何かをやっていく事があるので、そこを目指すという10ハウス、MCもそこにお母様像を読み取ることもできます。
そして、これももちろん一般的には社会的な肩書き、職業として読みます。
今回、わざわざ、こんな事を書いたのは「対象としての母親と環境としての母親」を考えたからです。
「対象としての母親」はお母さん、と言われて思いつくイメージです。
そして、「環境としての母親」は、自分の周りの環境を整えている、そこにはいないイメージだけの母親です。
普段は意識されない母親です。
朝、目が覚めるとすでに食事が用意してあって、帰宅すると洗濯物がたんすにしまってある。
そこに母親がいなくともそれは、母親が食事をつくってくれて、洗濯をして干してたたんでしまってくれたという事です。
それが、環境としての母親です。
小児科医であり精神分析医でもあったウィニコットの「ほどほどによい母親(good enough mother)」という言葉があります。
ほどほどによい母親とは、「過干渉や過保護ではなく、放置するのでもなく、ほどよい関わりが親子お互いにとって一番」というほどほどの説明(笑 がネットにありました。
そしてこのほどほどの母親の反対の母親が、perfect good mother(完璧な母親)です。
環境としてのperfect good mother(完璧な母親)は、いつも同じ笑顔で、子供の環境を整え、子供の先回りをして子供の要求を察知し、すぐさま満たして整える母親です。
perfect good mother(完璧な母親)は、子供にとってはそれが当たり前の環境を整えている母親です。
朝、目が覚めるとすでに食事が用意してあって、帰宅すると洗濯物がたんすにある。
そんな環境が当たり前の毎日。
でも、その環境は当たり前じゃないですよね。
それは見えないとしても母親が用意して整えてくれているのです。
じゃあ「当たり前じゃないから」といって、毎日、「お母さん、洗濯してくれてありがとう」というのもちょっと、ヘンだし、むしろ大丈夫かなと思います。
そんな環境を通してみえるのが4ハウス、ICでの母親ではないか、と思ったのです。
その環境としての母親が4ハウス、ICだとしたら、「対象としての母親」が10ハウス、MCではないでしょうか。
しかし、「対象」というなら7ハウス、DES(ディセンダント)も考えなければなりません。
DESはパートナーも含めた人間関係を読むことができます。
結婚相手にそれぞれお母さんに似たひと、あるいはお父さんに似たひとと結婚するという場合もありますが正反対のところもあります。
なので、環境としての母親が4ハウス、ICで読み取れるとしたら、対象としての母親はどこで読むのか、という問題については、ちょっとまだ結論を保留します。
しかし、環境としての母親というイメージは4ハウス、ICで重なることがあると思います。
なので、やはり母親MC、IC問題は続きますし、さらに、ここにきて「対象としての母親」のDES問題も加わってしまいました(笑
そして、これからは母親というより、ケアギバー(医学的にはCaregiverは、介護者となっています)である人物なので、必ずしも母、女性とも限らないと思います。
しかし、意識されない母親の役割を担っている人物(いや、人物とも限らないけれど)と当たり前の環境、居場所は、やはり4ハウス、ICに読み取ることができることができると思います。
D・W・ウィニコットの情緒発達理論と精神分析 http://repo.beppu-u.ac.jp/modules/xoonips/download.php/gk02104.pdf?file_id=9468
聞く技術 聞いてもらう技術 東畑 開人 (著)