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企画展「自然という書物」

「自然という書物」というのはキリスト教の自然観を反映した古くからの常套句だそうです。


(初日にいったので入場料が無料でした)

父なる神の真意が刻まれていると考えられている「第一の書物」は聖書。
それに続いて神さまが創造されたのが自然であり、それが「第二の書物」だという考えです。

なので特に中世ヨーロッパ以降は、森羅万象を想像した神の真意を読み解こうとする目的で、自然に対する学問が盛んになったようです。

現代も、神さまの真意ではないとしても調べて記録するという作業は、いまも広がり続けています。
こうしてネットでググったりAIチャットでも調べるし、このブログやSNSも記録する作業です。

ネットやSNS、さらにAIが爆発的な情報の拡大を促進したように、この時期にも技術の後押しがありました。

それは、古代の文献を記録する作業が手書きから、木版や版画による印刷や、グーテンベルクによる活字印刷技術の登場によって、やりやすくなったことです。
それによって大量に複製できるようになり、学問や情報も爆発的にひろがったとされています。
なので、この町田市立国際版画美術館がこういった展示をすることも意味があるのです。(フラッシュは不可ですが、写真撮影可のものがありました)


神の真意はどこにあるのか?に対する挑戦(というか、ラブというか)は、上下左右に広がっていきます。

例えば、上をみあげて、天の運行を見る天文学と当時はひとつだった占星術。
また、内側を見つめて、身体の仕組みはどうなってるのかという医学。
左右を見渡すと、地球にはどんなものがあるのかという博物学。

「磁石、あるいは磁気の術について」アタナシウス・キルヒャー著(ラテン語)

上のリボンには「horoscopivm vniversale magneticvm」でしょうか。
「磁力によって世界の時間をみるもの」なのかな?
西洋占星術師のホロスコープは、この「horoscopivm」から。
世界を見る、時間を知るという意味。「horo」は英語「hour」の「時」

磁気、羅針盤がまだなかった頃、見えないものが引き合う力の磁場、磁力は神の力と考えられていました。
また、それ太陽を向いて咲くひまわりも見えない力を示すものだったので、これを水盤の上に置いたコルクに乗せて日時計をつくったそうです。
(花をモチーフにした世界時計と左下は水盤の上のひまわり)

博物学については、キリスト教の自然観以前からありました。
つまり「それが薬になるのか」ということから調査、記録は続けられていたのです。
このブログでも、以前ギリシア時代から16世紀まで使われてきた「ディオスコリデス薬物誌」の邦訳について書いています。こちらの記事で →https://divinus-jp.com/archives/60614


シェーデルの「年代記」(ニュルンベルグ年代記)

版画美術なのでちょっと暗めの照明もあるのだけど、単眼鏡買おう、と思った瞬間(笑
明星大学所蔵。これ、占星術のサインが書いてあるのです。

近くには、ディオスコリデス薬物誌(マッティオリ注解)と、ディオスコリデス薬物誌の版木もありました。
ディオスコリデス薬物誌のラテン語の本は東京大学植物園の所蔵。
また、その版木はこちらの町田市立国際感が美術館の所蔵。

所蔵でいうと、ダーウィン進化論を示すダイアグラムがある「種の起源」が東京薬科大所蔵。すごい。
大学というのは単に就職のためのワンステップじゃなく、知識、叡智の研究の場であり、所蔵し集積し未来につなぐ場所だと強く感じました。

人間を含む自然を書物として、神の真意を読み解こうとする先達たちの熱意。

そしてまた、占星術がこの時代、あらゆる学問のゆりかごだったように思いました。

そして、日本の植物を紹介したシーボルトの「日本植物誌」「日本動物誌」の美しさ。

この時代の薬種商のパワーもすごいものがあったんだなあ。
ナポリの薬種商インペラート「博物宝典」はサロンのようであり、
ニュルンベルグの薬種商ベスラー「アイヒシュテットの庭園」の赤いユリの植物画の豪華な彩色。

「アイヒシュタットの庭園」バリシウス・ベスラー著

侯爵司教の邸宅の造園と管理を任されていた薬種商のベスラー。エングレービングに彩色されている。

「キヌバネドリ科鳥類図鑑」ジョン・グールド著

グールドはイギリスの博物学者で英語で書かれており、リトグラフが用いられている。
最初、ラテン語で書かれていた本が母国語で書かれるようになったのは、読む人の広がりを感じられる。

そして大航海時代の新世界の発見と顕微鏡、望遠鏡と、さらに世界は広がっていきます。

いや、ここまでくるよねと思うのはピアズリー。

15世紀博物誌から、近年のアートにいたるまでの「自然」について展示がされています。

おすすめ。

書籍とともに、図録はどんどん増えていくけれど、これも必須。

最寄りの町田駅から歩くと20分くらいかかります。シャトルバスもあります。
置いてあったチラシにあった地図。

明星大学図書館「ニュルンベルク年代記」 →https://library.meisei-u.ac.jp/collections/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E8%A8%98%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AB/

【夢の饗宴】自然という書物!橋本麻里&山本貴光さん&国際版画美術館
2023年4月1日 BH チャンネル(youtube)で配信 →https://www.youtube.com/live/9GhTYwGXxJQ?feature=share

町田市立国際版画美術館「自然という書物」サイト →http://hanga-museum.jp/exhibition/index/2023-516

企画展「自然という書物─15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート」
会期:2023年3月18日(土)〜5月21日(日) (一部展示替えあり)
会場:町田市立国際版画美術館 企画展示室1・2

町田市立国際版画美術館http://hanga-museum.jp/

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