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東京都薬用植物園

春の風のなかで可憐に咲くケシのなかで「あへん法」「麻薬及び向精神薬取締法」で栽培が禁止されているものがあります。
そういった栽培が禁止されているケシは、鎮痛作用のあるモルヒネ、アヘンなどの麻薬が採れるのですが、古来より、重要な薬用植物なのです。

でも。現在では多くの薬用植物がそうであるように、合成物として工業生産をした方が安価であったり、また品質が均一であったりするので、いまは植物原料を用いていません。
そして、数年前に国内の最後の栽培業者がなくなっていて、現在は研究施設以外では見ることができません。

といっても実は、割と身近に咲いていることがあり、先日も5才の子が走行中の車のなかから栽培禁止のケシを発見したことがニュースになっていました。
5歳児、違法ケシ発見 茨城・東海 草花好き、瞬時に判別 → https://news.yahoo.co.jp/articles/b596c3397c1ac7836b8cc1cba150ff1b8ffb14e3

この子の「違和感」に対する観察力も素晴らしいのですが、それをきちんとその植物であると同定するところまでつなげた周囲の大人の方々の態度にも支えられているのだと思います。
私の大学の時にも、生薬学の先生が学校にくる途中のバスから栽培禁止のケシを発見されたことがありますが、知識の多さではなく、つまり「違和感」を持つということの大切さなのだと思います。

そうはいうものの、ニュースになるということは、咲いていることは珍しいのです。
このケシが「合法」に咲いている場所も限られていますし、その開花の時期も限られています。
今回は、以前、何度かいったことのある東京都薬用植物園に開花の時期に行くことができました。

駅の近くですぐ目の前。

入り口。

入園は無料ですが、注意書きがあります。

柵は二重になっていて、この時期だけ外側の柵が開放されています。

説明書。

栽培していいケシと、いけないケシの見分け方も書いてあります。

成分であるアヘンアルカロイドは花がおちたあとの種の入ったケシボウスから採られます。
また、種が飛んで行ってしまわないように、花の終わったあとは白い袋がかけられているだと思います。

つぼみのものも、まだありました

Papaver somniferum と Papaver setigerum

こちらはポピー。植えていいケシ。当然、柵の外にあります。

植えてはいけないケシの隣には麻が栽培されていました。これも普段は、二重柵のなかです。
こちらも大麻取締法などで栽培が禁止されています。

まだちょっと小さい。
けっこう、花が咲いていたのとまだ、午前中だったこともあり開花直後のものもあったせいかもしれませんが、独特の香りがしました。
よい香り、というより、渋いような香りです。

園内で学生の実習と思われる一団とすれ違いました。

そういえば、300年前に学生実習できたときは、柵の中まで入れてもらえたような記憶があるなあ、とアルバムを引っ張り出しました。
(ここから回想)
柵も一重だったのか。

現在より、麻が大きくなってて、ケシの花がちょっと寂しいのは時期的に遅かったのかもしれない。
でも、やっぱり植物の隣に入っていました。

(回想ここまで 笑)

このほかにも薬用植物がたくさんあります。
この時期、開花しているひとつ。ジギタリス。

全体に強心配糖体という成分があり、これが有毒なので、お花はきれいだけど栽培には注意が必要です。
また、この成分が心臓の薬として使われていますが、毒性が強いのと併用すると副作用がでる薬剤があって使いにくいので最近は、あまり見かけません。

そして、このよく見かけるクリスマスローズも実は有害。

食用にすると腹痛などを起こすほかに、きった部分を触るとかぶれることもあるので手袋で。
学名の属名である「Helleborus」は殺すを意味するギリシャ語の「ヘレイン」と食べ物を意味する「ボラ」から来ているのです。

有毒植物エリアには触るな、と触れたら手を洗って、という表示もあります。

両方とも、芽がでてなかったけど。

痛風の痛み止めなどに使われているイヌサフラン。

この薬も有毒植物。成分のコルヒチンは中毒、副作用と薬効がでる量のはばが狭いので扱いが難しいのです。

このイヌサフランも時々、間違って食べてしまって不幸な事故になることがあります。
つい先日も、ギョウジャニンニクと間違えて植えていたニュースがありました。

毒草「イヌサフラン」を誤食し 2人死亡…札幌市が発表 市民に注意呼びかけ…ギョウジャニンニクと間違えるケース多発 → https://news.yahoo.co.jp/articles/76e50267f890eb266aa910e3b881247ab5c700d7

エフェドリンという咳止めの成分のある麻黄。

いまでも市販の漢方薬に使われているのですが、その品質を一定にすること、また保険診療で使えるくらいに安価にして安定供給することは大変、難しいと思います。
このところ、コロナ禍以降(ということならすでに4年以上になるのですが)、こうした漢方をはじめ医療用の医薬品の安定供給が不安定になっています。

そんなちょっとコワい植物だけではありません。
これは、カミツレ。蝶々もいます。

カモミールティーのお花で、これは甘い香りがしました。
ハーブティーのほかに、消炎作用があるので塗り薬として使われます。この白い花なのですが、青い軟膏になるのはちょっと驚き。
この青い軟膏(アズノール軟膏)は医療用医薬品としていまも、よく使われています。

温室にはカカオの実がなってました。チョコレートになるヤツです。

基本は研究施設なので、この注意書きがあります。

研修室に張られていた掲示をみたら、さっきの学生たちは母校の後輩たちでした。
私は学生の実習のときはだりぃ~と思っていたけれど、こうしてまた来るようになるとは思っていませんでした(笑

きっと彼らもだりぃ~と思っているかもしれないけれど、きっとどこかにこの経験は積もっていくから、ダルくても大丈夫だよ。

薬学生でなくても、四季折々の花があるので、ぜひ、おすすめです。

ケシ栽培、歴史に幕 農家「肩の荷下りた」 毎日新聞 2018/5/24 https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00e/040/295000c

不正なケシの見分け方 東京都健康安全研究センター https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/tokyo-keshi/

自然毒のリスクプロファイル 厚生労働省 イヌサフラン https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000058791.html

アズノール軟膏 インタビューフォームの開発の経緯(5ページめ)(PDF) https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2649716M1042_1_03/

東京都薬用植物園 https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/

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