もとは平安京の王城守護のために建てられたお社のひとつで、都の東、つまり卯(う・うさぎ)に建立されたのが始まりとのことで、東天王社と称されていたそうです。
この神社の周辺の町名に残っていて住所が「岡崎東天王町」となっていますし、公式サイトにも「東天王」とあります。
ということは他の方位も気になるのですが、西の社は、現在の須賀神社とされています。
ただ、現在の須賀神社は創建されたところから遷座されているそう。
うさぎが神様のお使い、神使です。
手水舎にも。
このうさぎは、子授け像として人気だそうです。
うさぎちゃんたちの神様、だけではなく、強い神様だなあ。
平安京は、「四神相応」の都であり、外敵から都を守ることを非常に丁寧になされている都だと思います。
それぞれの方位に、大将軍社をおいたり、鬼門の守りとなる比叡山延暦寺、上賀茂神社、下鴨神社、赤山禅院があり、裏鬼門には松尾大社がおかれています。
そういう王城守護の守りとしておかれたのが、この岡崎神社、東の天王社なのです。
ということであれば、お祀りされているのは牛頭天王、なのですが、現在のご祭神としては
速素盞鳴尊(すさのをのみこと)奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)三女五男八柱御子神(やはしらのみこがみ)
となっています。
祇園社と称されていていまも疫病退散のお祭りである祇園祭の八坂神社の主祭神も、素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。
神道と仏教が分かれる前の神仏習合では、素戔嗚尊と牛頭天王は同じとされています。この牛頭天王が疫病退散の御利益があるのです。
また、素戔嗚尊は八俣大蛇(やまたのおろち)を退治して、奇稲田姫命と結ばれた神話から縁結びの神様です。
お子神様も多さも子授け、子育ての御利益となっています。
(そのうえ、ムッチャもてた(笑 )
さらに、東の方角を示卯(うさぎ)であり、ご創建当時にここにうさぎの生息地だったこと、そしてその繁殖力から子宝、安産の御利益もあることで崇敬されているのです。
神使であり、シンボルとなっているかわいいうさぎが境内のあちこちにいます。
境内のあちこちのうさぎちゃんたちを並べます。
こうした境内にたくさんいる、かわいいうさぎちゃんたちにほんわりするのですが、そもそも疫病退散のちょっとコワモテの神様なのが、とてもよくわかるのは、本殿のうしろから拝したときです。
ちょっと恐ろしいくらいです。
もともと仙洞御所にあったものが、火災になってこちらに遷座されてきたとのこと。
かわいい神使のうさぎちゃんたちに思わず緩みつつ縁結びや子授け、子育てをお願いする神社です。
でも、その奥には牛頭天王がおられ、平安京を長く守ってきたという大事な神社なのだと思います。