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この世に命を授かりもうして

密教の激しい行(ぎょう)をいくつも達せられた、酒井雄哉さんの最後のインタビューをまとめた本です。
酒井さんは、頭頚ガンで2013年に、他界されました。

亡くなる半月まえのこの本は、「わし、この本ができるころにはもう生きておらんのやないかなあ?」で始まります。

酒井さんの著書はいくつもあって、また、酒井さんについての著書もいくつもあるので、
それぞれにすごいなあ、と思うのですが、これは、読んでいると、涙がこぼれてくる本です。
理由はよくわかりません。

天台宗の僧侶でもある、作家の瀬戸内寂聴さんとも交流があり
瀬戸内さんの「いつも全身裸で、両手両足を開いているような無防備な」という言葉のままの方でした。

瀬戸内さんも、なぜ、あれほどの力をもった方が、ご自身の病気を治せなかったのか、と書いていらっしゃいるように、酒井さんのお加持で、病気が治ったという話もいくつもあります。

それについては、お見舞いにみえた酒井さんの師匠からの「みんなのお加持をして、それで身代わりにこんな病気をもらったんだろう」という言葉に対して、「だったら、どこかの誰かが助かったわけだ」と答えていらっしゃいます。

激しい行に対して、酒井さんの答えは、「比叡山という大きな舞台だから目立つだけで、
自分の力で前へ進む努力をしている人はいるよ」
大変だったでしょう?「忘れちゃったよ」と「仏さまとの約束だから破れない」

歩くには「呼吸とリズムをあわせる」
いくつも不思議な体験もされていますが「オカルトみたいなのは好きじゃないなあ」
ひっきりなしに「大丈夫?」と言う人には、「大丈夫だった答えて、私を安心させて欲しいっていう思いなんだよ」
自殺は「よくないよ」

酒井さんは、比叡山に、今もいらっしゃるような気がします。

でも、護摩だきをやって鍛えていて、火にも強いから、あの世にいったら、地獄の閻魔さまの釜だきとして、雇ってもらうつもりだとおっしゃってますので、あの世にいったら、酒井さんがあの笑顔で、閻魔さまの近くにいらっしゃるのかもしれません。

そして、私が閻魔さまの前にいったら、「この人、娑婆で私の本を紹介してくれて、
悪い人じゃないのでよろしく頼みますわ」って、閻魔さまにそそっと言ってくれると思います。

「ほな、また会いましょう」

比叡山飯室谷 不動堂のホームページ

この世に命を授かりもうして


瀬戸内寂聴さんの言葉は、こちらから。

死に支度