増上寺で開催中の「漫画家による仏の世界展」に行ってきました。
仏画って、国宝だとか重要文化財も多いし
色もぱっとしないし、
なんとなく難しい感じで、
教科書にのっていて、遠くにある絵、
と感じるかもしれない仏さまの絵、と思っていました。
でも、こうして漫画になってみると、とても近く感じるし、
今は、国宝になっている仏画も、
かかれた当時は、こうやって始まっていたんじゃないかな、と思いました。
漫画のナマ原稿、というのは、あまりか見た事がないのですが
漫画家、って、画家、なんだな、と思いました。
線の美しいこと、背景の処理、光の表現のすばらしさに感動。
実際の仏画の色やテリ、線の躍動感は、物販の絵葉書にも再現できていないし
もちろんウェブの絵にもありません。
カラーページに印刷された漫画も読むのですが、
このナマ原稿を写メでとったくらいしか、美しさは伝わってないな、と思います。
浦沢直樹さんや江口寿史さんの年齢が「若手」になります。
仏画、というジャンルだから、そうなるのかもしれませんが
2、3年前に、江口さんが、漫画の背景について批判して
ツイッター上で話題になっていたことを思い出しました。
リアルさが、問題になっていました。
この漫画の仏画でも背景、重要だな、と思います。
仏、という現実にないものを描くときに、
実景をPCで取り込んで加工することはできないので、
どんな背景にするか、それを仏という現実にないものを、リアルに見せるか、
画力がないと、できないと思います。
コミックソフトとPCで漫画を描いている方が、もし、仏画を描いたら、
どんな仏画になるのでしょうか。
また、あるテーマにそってなにかを創造する場合
二つのスタンスがあるな、と思いました。
そのテーマを自分に引き寄せる方法と
そのテーマに自分が近づいていく方法。
それは、その漫画家それぞれなのですが、
画材として多かったのは天部です。
わかりやすいしね。
東日本大震災を感じずには、いられませんが、
光と愛にあふれています。
会場の最後の展示スペースはやなせたかしさんの予定だったそうです。
この言葉がありました。
「正義のための戦いなんてどこにもないのだ。
正義は或る日突然逆転する。正義は信じがたい」
こちらの展覧会の会場は、増上寺本殿の地下になります。
展覧会の開始にあたって、本堂での法要から始まったそうです。
この会場にも、どこからかお線香の香りもしてきて、
この「場」のちからは、すごいです。
漫画家による仏の世界展
動画は、こちら