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諏訪大社 御射山社 (みさやましゃ)

普通、神社は南か東を向いて建っているのですが、
諏訪大社 上社本宮の建ち方は、ちょっと不思議な方向を向いています。
ご神体は山、と案内板にも書いてあるのに、山を向いていません。
その向き方について、以前、八雲さんから
上社は、守屋山を中心にして前宮と本宮を見るとわかる、と聞きました。
地図の上からもわかるのですが、実際に行ってみると、
上社は守屋山を中心とした三角形になっているのが実感できます。

上社の本宮は、御射山社を向いていると書かれている方もいました。
御射山社は、諏訪大社の奥宮とされていて、今も祭事が行われています。
ご祭神は、国之常立神(クニノトコタチノカミ)です。
地元感の強い諏訪に、いきなり、ヤマトの神さま登場。
諏訪大社のご祭神の建御名方神(タケミナカタノカミ)に
国譲りを迫ってきた武甕槌命(タケミカヅチノミコト)より
ずっと古い神さま。しかも奥宮に。
御射山社は、上社下社にそれぞれあって、いまでも祭祀が行われています。

実際に地図でみました。
下の地図では、赤が守屋山
黄が上社本宮。
緑が上社前宮。
青が上社の御射山社です。
上社御射社1

守屋山を中心として前宮、本宮は、きれいな三角形ですが、
そこに、御射山社も乗っかってきています。
本宮から拝する方向としては、前宮、御射山社の方向です。
上社御射社2

確かに、本宮は御射山社を意識しているように見えますが、
前宮のところで、どのくらい差があるかというと約100メートル。
前宮と本宮が約1キロメートルなので、誤差10%。
ちょっと、本宮は御射山社を向いて拝している、というには、
大きい誤差かもしれません。
上社御射社3

ちなみに、上社前宮は守屋山を拝する方向に建っています。

また、下社にも御射山社はあります。
下社の御射山社は、いまは移動しています。
移動前の旧御射山社は、現在は、諏訪大社の管轄から離れて
霧ケ峯本御射山神社と称されています。
下の地図では、
緑は、旧御射山社。
赤は、現在の御射山社と下社秋宮。
青は、下社春宮。
下社御射社1

秋宮は旧御射山社より、現在の御射山社を向いて拝しているようです。
移動後のお宮の方が、むしろ正確に場所をとっている。
下社御射社2

諏訪大社の奥宮とされる御射山社ですが、
奥宮があって、その参拝の都合をよくするために里宮がある、という事ではなく、
諏訪大社ができてから作られた感じがします。
ヤマトの神さまが、しかも、ちょっと珍しいくらい古い方が
奥宮にいらっしゃる、というのも、
諏訪大社のご祭神より古い方を持ってきて、
「最近、つくりました」感があります。
御射山社のある場所は、もちろん、水の豊かな、よい場所なのですけど。

ちなみに、下社春宮は、諏訪湖を向いていると思います。
申し訳ないが、なんとなく(笑)
拝する方向に、コレといったお宮や山もないというのもあるのですが、
上社から下社に神さまがお渡りになるという諏訪湖の氷結、
御神渡り(おみわたり)を受けるために諏訪湖に向いている神社、
という事もあるかもしれません。

諏訪大社は、もともと四社から成立してるのではなく、
それぞれの信仰と神さまをもったパワフルな神社が、
いろんな経緯で、統合されたと感じます。

諏訪大社 ウェブサイト
御柱祭 ウェブサイト
諏訪大社については、八ヶ岳原人さんのサイト がとても詳しく書かれていました。
守屋山と中央構造線なども詳しく書いてある八雲さんのサイトは、こちら。


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*この記事を書いた人について
 辰巳(たつみ)
 聖地を巡礼する占い師。西洋占星術とタロットを使います。
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