占星術では、女性の場合、恋愛対象となるイメージとして火星を見ることがあります。
こんな感じの男性と恋におちいりやすい、というイメージがそこにあります。
もともと、火星は「やる気」だったり「自己主張」を象徴する天体です。
女性の場合、周囲との調和を乱してまで自分を押し出していく、という事が少ないので、なかなか、この火星が意識しずらい、あるいは、自分では発揮しにくい面になることもあります。
しかし、女性自身のチャート(ホロスコープ)のなかにも、必ず火星があります。
そこで、火星を使いづらい女性は、これを「誰か他の人にあてはめる」のが恋愛の最初、という考えです。自分のできない事をしている男性が、ステキ!という感じです。
例えば、獅子座に火星があり、でも、自分では自己表現、自己主張がなかなかできない、という女性の場合、堂々と自分の意見を述べたり、パフォーマンスしている男性が、自分のできない部分をしてもらっているように見えるので「ステキ!」と思うのです。
「見えるので」というのが実は、キモで。
恋愛の最初のきっかけは、それでアリなのですが、相手の実像が全部、そうだとは限りません。
だって、自分の事を考えてみても、その時によって、とても内気になったり、あるいはこんな大胆な事が私、できるんだ、という驚きがあったり、という事に気がつく時もあると思うのです。
なので、相手の男性も、ハデなパフォーマンスをする男性のウラの顔は、相手からの賞賛が欲しい、という別の面があるのかもしれません。
そこは、最初はわからないのです。
私はわからなくてもいいと思っています。だって、それが恋愛だから。
最初は、です。
以前に、「自分を愛すると夢は叶う」という本を紹介しました。こちらの記事で。
そのなかで吉本ばななさんが恋愛について
「現代人はあいてにすべてを求めるからうまくいかないんだと思います」
とおっしゃっていました。
最初は、自分のデキない部分である火星のイメージを相手に投影したことから始まったとしても、
また、最初は、相手の実像はわからなくて始まった恋愛だとしても、
最初から最後まで相手に自分のイメージを求め続けたり、自分の求めるイメージすべてを一人の相手に求めるのは、恋愛がつづかない事のひとつの原因だと思います。
そして、自分の押し出し方、自己主張がなかなかできない獅子座に火星のある女性は、最初はパフォーマンス派手めの男性を「ステキ!」と思っていても、
社会にでて自己主張する必要がでてくると、この火星を我が物とする事になります。
すると、いつもそんな立派にみえる自己主張をしているわけでもない、とわかってきますし、ハデなパフォーマンスをする男性の気持ちにふれ、相手からの賞賛が欲しいのかも、と感じはじめる時がやってきます。
でも、相手の行動のウラ、相手の気持ち、心にふれたときから、恋が愛にかわっていくはずです。
その時に、自分の火星をいつまでも相手にまかせっぱなしにしておいて、
「なあんだ、がっかり」「こんな人だったのか」と別れてしまうのは、ちょっともったいない。
かといって、いつまでも予想のつかない相手の男性の行動にふりまわされるのも、さらに自分の人生がもったいない。
そして、何から何まで相手に期待して要求するのは、相手にとって大変、負担であるはずです。
一方、火星を我がものとし始めた時から、本当の愛が始まるのではないかと思います。
大人の恋愛も、そこから始まるはずです。
年齢だと40代からです。
40才すぎたら、相手の事を受け止める木星期に入ります。「そんな事もあるよね」と相手の事を受け止めていきます。
なので、あまりドキドキした恋愛もしなくなったすることもありますが、相手を理解し、受け止めたうえでの恋愛なので、若い時と同じではありません。
いつまでも高校生のように、「あの人ステキ!」と、キャーキャー言っているだけの40オーバーのオンナは、イタいのです。
でも、いくつになっても、ドキドキする気持ち、ときめく感じは大事です。
毎日の、小さなときめきが、次のときめきを引き寄せるものでもあるし。
キャーキャーいわずに、次のときめきを引き寄せるためには、かわいいものや、美しいものにドキドキして、あるいは感動して心を揺らしていくことです。
そして、恋愛もたくさん、しようね。