こっちが「正しい」入口のような気がします。ご神木とされる大きなイチョウが見えます。
境内の図をみると、別の鳥居が正面鳥居とあるのですが、拝殿の正面にありますよ、という意味だと思うのです。
なんだろう、爽やか~。
八幡さまって、その神社で全然、違う感じがします。
昔は、ここはそんなに爽やかなところではなかったと思うのです。
江戸時代は、このあたりは田んぼと武家屋敷の間、江戸のキワという感じの場所だったはず。
キワは、この世とあの世の間でもあり、権力のギリギリ及ぶあたり。
この場所はゆるい坂の上にあって、お万榎があった坂もあるので、坂の下もふくめ、そんなに清々とした感じはしなかった、はずです。
(お万榎については、別にお調べいただいて、こちらの別当だった瑞圓寺には、お移しされた榎木稲荷神社もあります)
でも、この爽やかさ。
土地のパワーがすごいとか、山があってすごいとか、そういうのではなく、風通しがいい印象があります。
鳥居をくぐると、ご神木がどん、とあります。
その先には、神明社。ご近所から遷座された神社だそうですが、ここは、昔の雰囲気が残っているようです。
この神明社のあたりが普通の神社の雰囲気です。
このように普通の神社だと拝殿前の参道があって、その周囲に摂社末社があって、大きな木が影を落として見通しが良くない場所があります。
でも、ここでは、暗くないのに、見通しがよくない場所。
上に明るく抜けているのに、見通しが効かず次にどう展開してくるか、わからないおもしろさがあります。
鳥居をくぐる、ご神木を回る、富士塚の正面をまわる、能舞台をまわる、手水をする、参道に入るという歩みをすすめると、見えてくる景色が変わってきます。
そして、その視界の変化がおもしろく、そこには高い樹木がないので、迷っている感じ、不安な感じがないのです。
むしろ、正面鳥居から拝殿に一直線に伸びる参道が不自然な感じさえします。
登頂しました。あっというま。
いい感じ。
やっぱり、富士塚は登りたいものです。
正面からは富士塚の全貌が見えないのですが、後ろ側からみるとこんな感じ。
お稲荷さんらしく、しっとりしています。
境内には能舞台もあります。神楽殿じゃないのが、洗練されています。
この能舞台も板の戸で閉めてあるのではなく、ガラスが張ってあって、涼やかに見えます。
1963年の東京オリンピック前に、東京体育館、代々木競技場ができて、このあたり、かなり雰囲気かわったんじゃないかな。
そして、今は、この隣にある将棋会館も大きい。
たくさんの子ども達が、将棋道場、将棋スクールにいる姿が見えます。
なかには大きな将棋の駒があります。
拝殿近くにいたら、将棋会館側の、ここから出入りしてはいけません、と一応、ふさいであるところから子どもが走って入ってきました。
ダメっていっても入るよね、入れるんだから。
子どもは、風のように入ってきて、遊んでいきます。
最初は神社とは関係なかったと思うのですが、ここに将棋会館ができ、将棋堂ができ、将棋祈願祭が執り行われ、あるいは、将棋の棋士の結婚式もあって、アニメの舞台にもなっています。
そりゃあ、爽やかになっていくわ。
場は、人がつくるもんだなあ、と思います。
八幡さまは、それを見守ってくれている、場を持ってくれていると感じました。
将棋のアニメは、これ。3月のライオン アニメ公式サイト