総社というのは、律令制の頃、国司の大事な仕事で赴任した令制国内の定められた神社を順に巡って参拝することでした。
ただ、あちこち行くのは大変、ということで国府の近くに神社をつくって、そこに領内の神さまにおいでいただく総社を設けることで、そこを詣でることで巡回を省くことになったお宮です。
なのでこの神社は、この地の各地の神さまが集合しておられるお宮なのです。
場所としては国府の近くなのですが、ここはその昔、多賀城の近くでした。
この神社の近くにも多賀城のあとが公園となって整備されています。
多賀城の霊的坊業の意味もあったんだろうと思います。
神社自体は無人。
前を通過する自動車の音は響いていて、周囲は静かなのです。
でも、神さまの気配はもちろん、あります。
時々、こうして石を乗せられている狛犬がいます。
そしてファニーフフェイスは可愛い。
なんだろう、八幡さまのような、なんでもアリ感があるんだけど八幡宮の感じじゃない。
そして、中央から来ました、ヤマトの神さまです、という感じも、全くないのです。
でも、確かにこの地を守っていただいている神さまだと思いました。
他の総社では、ご祭神の真ん中に古事記や日本書紀に登場される神さまがお祀りされている神社もあります。
そういった神社では、「知ってる」感があるのですが、こちらの神さまはなんていうか、方言でお話になってる感じです。
わからなさがあって、懐かしい感じです。
帰ってから公式サイトを見たのですが、主祭神のお名前がありません。
つまり、総社そのものだからです。
境内にこちらに集まっておられる神さまのお名前がありました。
こんなに、たくさん!
写真で見ていただけるかどうかわからないのですが、神社のお名前が古いのです。
古事記でみるような意味より音をとった万葉仮名で表された神さまのお名前のようなのです。
こうした古い神さまは仏教がはいってきたり、あるいは、それが別れていったような長い歴史のなかで別の神さま仏さまの名前に変わったりすることも多いと思うのですが、こちらでは古いご神名が守られています。
この神さまたちがもともと、おられたお宮はどこにあって、いまは、どうなっているんだろうか。
杉を動画にしました
老夫婦に例えられるそうです。
美しいものを見せていただきました。ありがとうございました。
公式サイトには、日本全国の総社の地図 → https://sousyanomiya.jp/souja/
や、このお宮の物語のブログがありました。 → https://sousyanomiya.jp/column/
とても、参考になるのでお時間があれば、ぜひ、ご一読を。
陸奥総社宮 https://sousyanomiya.jp/