大分県宇佐市の宇佐神宮、京都府八幡市の石清水八幡宮とあわせえて三大八幡、とされるお宮です。
近年、宇佐神宮、石清水八幡宮に、鶴岡八幡宮を数える場合もあるようですが、古さからしたらこちらだと思います。
一の鳥居
この先の浜に浜鳥居がたっています。
こうした場合、浜の方から、一の鳥居、二の鳥居と数えるのですが、こちらはここが一の鳥居です。
大きな手水鉢です。2020年のコロナ禍以降、こうした個別の流しそうめんのような手水舎が多くなりました。
屋根が大きく、とても力強い楼門に日本の日の丸とともに、旭日旗(きょくくじつき)とZ旗が掲げられています。
旭日旗は「軍隊」の旗であり、陸上自衛隊の自衛隊旗や海上自衛隊の自衛艦旗にも使用されています。
また、Z旗は万国船舶信号旗のZに相当する旗です。国際信号としての意味があって、これを掲げた船は「私が引き船が欲しい」「私は投網中である」という意思を示しています。
しかし、一方で、日本海海戦の際、連合艦隊司令長官の東郷平八郎は、が「三笠」のマストに掲揚し「この戦いに敗れたら後はない」という決戦の士気高揚の目的でかかげる事となりました。
この「敵」は鎌倉時代の蒙古襲来の事です。亀山上皇が納められた御宸筆(天皇の自筆)を、楼門建立の際、小早川隆景公が模写拡大し掲げたそうです。
ここは海、その向こうにある大陸にむかいあったお宮です。
とうぜん、戦略的にも霊的にも守りのお宮という意味があります。
しかし、敵国調伏、というと、穏やかではないのですが、こちらの真意は「武力で相手を降伏させる(覇道)ではなく、徳の力をもって導き、相手が自ずから靡(なび)き降伏する」という、王道である我が国のあり方を示しているそうです。
初節句のお子様の名前入り武者幟を掲揚してお祝いし、あわせてご神前で健やかな成長をお祈りするご祈願祭を斎行されているそうです。
ご祭神は、応神天皇、神功皇后、玉依姫命
いわゆる、八幡三神さまなのですが、Z旗や旭日旗に示されるような戦う神さまという印象より、穏やかな印象があります。
それは、敵国調伏の真意にあるのかもしれないな、となんとなく思っていました。
八幡様という神さま、というか仏さまかな、と思うくらい神仏習合でひとつになっている印象があります。こちらでも、大きな放生会をされているそうです。
この放生会は、博多どんたく港まつり、博多祇園山笠とともに博多三大祭りに数えられるほどの規模。
そして、もともとこの放生会は、養老4年(720)南九州で起きた隼人の乱で多くの人が犠牲となり亡くなって、その死者を供養するために始まり、その後全国の八幡宮に広まったと言われているお祭です。
放生会は、殺生を戒める(いましめる)仏教の考えです。
また、こちらのお宮はいまも、毎年、1月11日にお坊さんが本殿でお経をあげるというお祭、神事があるそうです。
承天寺一山報賽式https://www.hakozakigu.or.jp/omatsuri/jotenjiichizanhousaishiki/
そのあたりからくるのだと思うのですが、戦いの神さまというより、慈悲のお心を感じるのかもしれません。
こちらでもご挨拶させていただきました。
どうぞ、道をお守りください。