熱田(あつた)神宮。
三種の神器のうちの、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)または、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)と言われる剣の鎮座される神社です。
三種の神器とは、伊勢神宮の八咫鏡(やたのかがみ)、
皇居のなかにある賢所(かしこどころ)の八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、
熱田神宮の草薙の剣(くさなぎのつるぎ)の三つ。
神宮らしい清々とした鳥居ですが、この南門からは、ほぼまっすぐに本宮にすすみます。
これは、たぶん最近の参拝道では、ないかな。
本来は、もっと曲がっていたり、別の場所が「正しい参拝道」だったような気がします。
大勢の参拝者が来るようになってから、
事故のないように理詰めでつくった道のような感じです。
なぜか、現世利益の匂いのする神社です。
神宮という聖地は、現世利益を願ってはいけないのではないけど、
神宮側から「こんな良い事、ありまっせ」とアピールはありません。
でも、この鳥居の近くに「ご祈祷受付 知恵の神さま 商売の神さま」とありました。
それは「悪い」事ではないけど、「神宮」では、有り得ない看板。
入口での祓いのお役目もあるんだろうな、と思いつつこちらの鳥居をくぐります。
正面に上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)名前からして古い。
ご挨拶します。古いけど懐かしい波動です。
この懐かしさ、というか人懐っこい波動も、神宮らしくない。
神宮のそれではない、別のパワー。
唐破風(からはふ)の屋根のせいか、お寺っぽいムードもあります。
ご祭神は乎止與命(おとよのみこと)
この尾張地方を開拓された神さまだそうです。そして、学問の神さまだそうです。
「知恵の文殊さま」と鎌倉時代から言われてきたそうで、
ご祭神の仏さまでの姿が、本地仏が文殊菩薩だったのかな、と思いました。
お社は小さいのですが、しっかりした波動があります。
古代は、海につきでた岬にあったこの地は、海からの恵み豊かな場所だった事でしょう。
それで、今も、えびす様のおまつりが大きくなったのだと思います。
恵みだけでなく、高天原からの天孫降臨より、ずっと古い昔、
海は、あちらの世界、常世の世界だったのではないでしょうか。
そして、その海からの恵みと、海への怖れは、私たちの記憶の底に流れているはずです。
そしてこの上知我麻神社は、熱田神宮とは別の扱いのようで、
ご朱印も別になっています。
それはそうでしょ。地元の神さまの姿を、庶民的なかたちで残しているんだから。
で、上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)という上(うえ)があるなら、
下(した)もあるはず、と思いました。
離れていますが、ありました。