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空間除菌剤 (2020年5月追記)

(2016年1月13日記載)
今年も季節なので、除菌、殺菌を目的とした、いろんなグッズがドラッグストアに並んでいます。

そのなかで、ちょっとこれは、カンベンして欲しいなあ、と思っているのは、空間除菌をうたった商品。

主に、二酸化塩素を使っていますが、つまりは塩素系の漂白剤を空間にまいているようなものです。
こういった空間除菌グッズは、「除菌」を目的にした「雑貨」です。

医薬品でも、医薬部外品でもありません。

この医薬部外品ってよくわからないですよね。
医薬「部外品」って、なんとなく薬でもないというイメージでよくないですが、実はちゃんと法律で決められた品質をもっているものです。
ただ、医薬品と化粧品のあいだにあるモノなので、医薬品じゃなくて、というグループにされてしまっています。
でも、薬事法(名前かわっちゃったけど今は、薬機法です→医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で、きちんと安全性とか有効性が決められているモノです。

例えば、入浴剤とか、ヘアカラーとか。

でも、この空間除菌グッズは、雑貨。
医薬品でも医薬部外品でもありません。なので、商品としての扱いになり消費者庁が管轄(かんかつ)します。

雑貨なので、安全性や有効性の保証はなくてもいいのです。
ただ、消費者庁としては、虚偽の広告をしてはいけないという事で、取り締まることができます。
国民生活センターは、商品の不良品などをチェックするような働きをします。
いずれにしても、雑貨なので医薬品のように効果や副作用をきちんとデータとしてだす必要はないのです。

よく似た構造が、食品とかサプリにもあります。

コーヒーに含まれるカフェイン。コーヒーを飲むと目が覚めるのですが、食品なので、なんの規制もありません。
だから、食品とされているエナジードリンクなどには、けっこうびっくりする量が入っています。

一方、医薬品としてのカフェインは、その有効性や安全性が確認されて、流通や使用も制限されています。
記事にしていますので、こちらもどうぞ。

ついでに、除菌という言葉は、医療では使いません。
抗生物質の効果を表すときに、殺菌作用と静菌作用という言葉は、あります。
殺菌とは、細菌を死滅させるという意味で、静菌とは、細菌の繁殖をおさえるという意味です。
イメージとしては、殺菌の方が静菌より「エライ」ようですが、そうではなく、相手とする細菌によって使い分けます。
一方、除菌とは、石鹸の業界で決めた表現で雑貨品に使います。

話がそれました。

この二酸化塩素は、プールの消毒やパルプの漂白に使われて、業界としての扱いも決められています。

また、厚生労働省ではなく、国民生活センターや消費者庁が関わっている空間除菌剤は、過去には、置き型はあまり効果がない、という報告がありました。
また、首からさげるタイプでは、塩素でやけどをしたともあります。
でも、消費者庁は、景品表示法という法律に基づいてメーカーに命令しているのですが、販売中止という強制力がないので、インフルエンザが流行ると、よく売れています。

置き型の空間除菌剤は、イメージとしては、空中に塩素系の漂白剤をまいているような感じです。
でも、水の中での殺菌はあっても、それを空気中に噴霧した場合の、どのくらいの殺菌、あるいは静菌効果があるのか、調べたかぎりはわかりませんでした。

また、それがどの位の量なら安全で、どの位の量で、どのくらい長く使っていたら、人体への影響するかは、さらにデータが少なく、わかりませんでした。

効果がないだけなら、まだしも、安全かどうかがわかってないし、効果もハッキリしないので、すこし様子を見たほうがいいと思うのです。

国民生活センター 置き型タイプについて
         首から下げるタイプについて
日本二酸化塩素工業会のサイト
日本石鹸潜在工業会のサイト

(ここから2020年5月1日 追記)
新型コロナウイルス感染症の急速な拡大があって、4月7日に緊急事態宣言が発令されて以来、また、この空間除菌剤を首から下げている方を、よく見かけるようになりました。

この記事を書いたのは2016年なのですが、その後も毎年、インフルエンザシーズンにはドラッグストアの売り場のどこかに、置いてあって「うーん」と思っていました。

それでも、この新型ウィルスによる感染症の流行前は「でも、まあ、それで安心するなら」くらいに思っていたのですが、もう一度、消費者庁のページを見に行ってみました。

すると、効果のないものを広告したという強い調子が書かれていました。

そりゃ、そうなんですけど首から下げていれば安心という方もおられるかと思います。

ただ、これを下げていると、むしろ「私は不安なんです、効果のあるものはなんでも試してみたいのです」と示しているように思いました。
そして、むしろアヤしい商売のターゲットになりやすいという事もあるんじゃないかと思うのです。

新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について(消費者庁 2020年03月10日)

PDFの一部をここにおいておきます。

全文は消費者庁のサイトに見に行ってくださいね。

(2020年5月18日 追記)
2020年5月15日 携帯型の空間除菌用品について、また消費者庁から行政指導がありました。
この商品自体は「なんだかなあ」なのですが、ご本人の気持ちでお使いになるのは、「あり」だと思います。
ただ、こういった商品はいつの間にか根拠のない抗がん治療のように広がってしまいます。
このブログでも事実だけを記載しておきます。
https://www.seirogan.co.jp/press/info/index/2020?id=arrival_592

携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導について (消費者庁 2020年05月15日)
PDFの一部をここにおいておきます。

全文は消費者庁のサイトに見に行ってくださいね。

また、大幸薬品は2020年5月15日のプレスリリース(PDF)で、行政指導のあった5社には入っていない事を発表した上で、クレベリンについてはこのように回答しています。
クレベリン 置き型に関するご質問
スクリーンショットの一部をおいておきます。これも全文は、大幸薬品のサイトを見に行ってくださいね。