シナモンは、ベトナムなどの熱帯に生育するクスノキ科の常緑樹、
あるいは、その薬で使われる部分の事。
生薬では桂皮(けいひ)、肉桂(にっけい)と呼ばれます。
桂枝(けいし)という生薬もあり、ちょっと似ています。
桂皮は、皮ですが、桂枝は細い枝の部分を使います。
桂皮の方が、身体を温める作用は、強いです。
でも、漢方では、作用が強ければいいという考えは、ありません。
目的よって、使い分けたり、
おなじ漢方の処方でも、この二つを置き換えて使ったりします。
学名としては、中国の肉桂と、桂皮は別の種で
得られる精油も別のものですが、
生薬としては、桂枝湯とかいてあるものも、実際には桂皮が入っていたりして
多少、そのあたりは、ゆるく使われているようです。
肉桂、ニッケイは、あまくて、ちょっとピリっとする味です。
ニッキ飴、ご存知でしょうか。
今は見なくなりましたが、以前はよく売られていました。
また、八ツ橋(やつはし)にも、使われています。
(入っていないものもあるようです)
カプチーノについてる、あの、棒、です。
シナモンロールの、あの、香り、です。
中医学では、熱性に分類され、
最も身体を温める作用が強いものとされています。
寒い時期には、身体を温めたり、冷えを改善しますが、
一方、のぼせやすい人は、とりすぎには注意が必要です。
五味のなかでは、甘と辛に分類されます。
筋肉の緊張をほぐし、胃腸の働きを助けます。
また、血行を促進し、体温を上げ、体内の邪気を発散させます。
胃腸の働きについては、医薬品としても、効能、効果が認められていて
太田胃散にも入っています。
漢方では、「冷え」を取り除くことを、とても重視していて、
葛根湯や、小建中湯(しょうけんちゅうとう)など
多くの漢方薬に使われています。
手軽にとるとしたら、シナモンティがおすすめです。
できたら、チューブのものでかまわないので、しょうがもいれて
毎朝、飲む習慣をつけると、冷えがとれるようです。
最近、シナモンには、血糖降下効果作用があることがわかってきました。
ただ、肝臓に害を及ぼすリスクのあるクマリンという成分や、
アレルギーがある場合もあるので、摂りすぎには注意が必要です。
血糖は、身体が臨戦態勢にあると、上がります。
これから戦うエネルギーを血液を通して身体中におくるためです。
だから、身体をリラックスさせると
血糖が下がるのかな、と考えたのですが、
この血糖をさげる研究を読むと、
糖の吸収を主にじゃまする作用があるようでした。
でも、これから、まだ追加の研究も必要です。
また、シナモンの精油もあります。
アロマオイルとして、ディフューザーで使ったり、
お湯に滴下して蒸気を吸入します。
生薬と同じように温める作用があり、太陽の精油とされます。
精神的にやる気がでない時、なにかに情熱を失ってしまった時にも。
ただし、刺激があるので、
敏感肌の方は、直接皮膚につけるのを避けてください。
妊婦の方も使えません。
冷えをとって、温めて、リラックスする、というのが、
精油でも生薬でも同じというのが、おもしろいです。