最近の温暖化で、季節感がなくなってしまったような気がします。
大きな台風がきた、と思うと、次の週には北海道の初雪の話題があるのですが、そんなときこそ、四季をしっかり感じて、心身をチューニングする必要があると思うのです。
陰陽五行の考えでは、冬の色は黒。玄冬(げんとう または、けんとう)は冬のこと。
冬は、北の気が強いとされているので、四神相応では北の守護は、玄武。
亀のような身体に、蛇の尾をもつ神獣です。
黒の着物は、太陽の光を吸収するので暖かいという季節になります。
腎水に属し、感情としては、驚と恐。臓器としては、腎臓で、耳に表れます。味は塩辛い、とされます。
腎臓に病気があると、顏色は黒くなります。
性格は、臆病で驚きやすく、耳の異常を起こしやすいとされます。
塩辛い味が好きなので、つまり水分を身体に引き込みやすく、腎臓に負担がかかり身体が冷えることになります。冬になると膀胱炎を起こしやすかったりします。
腎という考えは、腎臓とは厳密には違うのですが、緊張したり怖かったりするとトイレに行きたくなったり、驚きや恐怖は、涙目になって水となって表れます。
また、メニエール病というめまいや耳鳴りを主訴とする、病気は、内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)が原因であるとされていて、その治療には利尿剤のイソバイドという、尿をだしやすくする薬が、西洋の治療で使われます。
ただ、メニエール病の原因には、ストレスや生活習慣も含まれていて、利尿剤だけではなかなかよくならない方も多いのが現状です。
そのため、ストレスをなくしたり、生活習慣を変えたりすることも治療に含まれているので、治療には時間をかけて取り組んでいく必要があります。
また、冬は次に備え、蓄える季節です。
冬は、次の春に芽吹く木を育むために、水分を吸収しじっくりと自分の中身を充実させる事も必要な時期です。
次のステップにむけて、最初の石を置く季節でもあり、勉強をしたり、自分の心身の準備や、経済的な蓄えに向いている季節なのです。
また、この季節に調子が悪いのは、前の季節の、秋の養生が足りなかったから、と考えます。
立冬の時期であれば、まだ、間に合うので秋の養生をするようにします。
秋の養生は、呼吸を整え、白いものや粘膜をケアするものを食事で摂ることです。
立秋のこちらの記事を、ご覧ください。
また、これから冬の養生は、黒いものを食べること。あるいは腎を養うものを食べることです。
ベタですが、黒まめ、黒ごま、黒米が黒いものです。
腎は、漢方では単に腎臓という臓器だけではなく、生きる力、精力も含めた考え方をするので、老化防止や月経不順に黒豆を食べるという意味もあります。
お正月のおせち料理に、黒豆が入っているのも、わかります。
また、豚肉は、温性で腎水に属して腎を養うし、入手しやすいのでおすすめです。
鍋料理に豚肉というのが、温まります。
この冬に限らず、漢方では「冷え」をいつも問題とします。
桂皮は冬だけでなく、身体をあたためるものなので、おすすめです。
シナモンの生薬部分を桂木、あるいは肉桂(にっけい、ニッキ)と呼ばれるのですが、シナモンの精油もあり、これも「冷え」に効果があるのが、おもしろいところです。
シナモンについては、こちらの記事で。
今の自分の養生するタイプを知りたい方は、慶応大 渡辺賢二先生の未病チェックシートのサイトへ。