國學院大學博物館は、タダ!
「そこから?」と思うかもしれないけれど、こんなに充実した展示がタダなんて、贅沢すぎると思うのです。
以前からおもしろそうな展示を時々、やっているなあ、と思っていましたが、今回、機会があって、やってきました。
今回の企画展は「宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界遺産となった事を受けての企画です。
撮影可の展示も多く、こうしてご紹介する事もできます。
「神道」という言葉は、日本書紀で、道教に相当する位置づけがみられるそうです。
最初は、祖霊、亡くなった人の魂を鎮魂するところから始まった祈りの場は、その後、神の坐すところとしての神社となり、道教、仏教を組み入れて、あるいは組み入れられて続いていく、という展示のように読み取れました。
写真を撮ってよい展示も多く、雰囲気は伝えやすいのですが、といっても、いくら研究対象だからといって、祓いのヒトガタを写真に残すのは、ためらわれます。
そして、神道をあらためて考えると、教祖や教義、教典のない宗教、というか宗教といえるのかな、と思いながら見ていました。
また、日本の仏教もいろんな宗派にわかれているものの、宗教というより、思想とか日常の一部のようでもあり。
その神道と仏教と、それからその他の宗教もあるこの日本という場所について。
こちらは通常展示の考古エリア。
古い鏡や、縄文土器があり、私テキには見ているのは、ホント飽きません。
中心に石棒があり、その周りに円柱。それから埴輪、土器の破片。
ストーンヘンジみたいです。
神道展示のエリアは撮影禁止ですが、大嘗祭の宮中祭祀の祭具の再現の提示や、吉田神道についての展示はおもしろかったです。
大神神社の禁足地内でみつかった山ノ神遺跡の復元もあります。
その後ろには、大神神社とその森の映像が流れています。この博物館では復元展示も多いでのすが、それでも充分、雰囲気は伝わってくるし、映像をみていると時間は、あっという間にすぎていきます。
ヒトガタや土偶、人形というカタチの似ているものには、なにかしら宿るモノがあるように思います。
ここにあるのは、神社やお寺、あるいは祭祀の場にあったもの、またはその復元品であり、研究対象となっているモノです。
しかし、そこには、宿るモノだったり、祈りの念に似たものがあるように感じました。
土器にしても、整った祭壇をもつ神事としても、その雰囲気は充分伝わってくるし、この博物館自体が、聖地になっている感じがします。
それは、この土地によるものもあるようで、近くに氷川神社がああり、古くから人が住んでいた遺跡があったからかもしれません。
まだ、充分、消化できていない展示や、時間がなくて見られなかった映像展示もあるので、また、来たいと思います。
國學院大學博物館 公式サイト
企画展「神道の形成と古代祭祀」 2017年10月14日から12月10日
会期中、展示が一部かわります。また、ギャラリートークもあります。
國學院大學博物館 ツイッター @Kokugakuin_Muse