人、というか人類は「文字」を獲得したのは、3000年前の古代中国だそうです。
その文字によって、私たちは、時間と心を手に入れました。
文字によって記録し、過去から学び、未来を考えること。
あるいは時間の流れを知ることです。
西洋占星術では、言語、コミュニケーションは3ハウスに示されます。
その獲得した言語で、サバイバルするので3ハウスは生存戦略としても読みます。
ついでに、生まれてきて最初に、生存戦略を必要とするのは、年齢の近くてすぐそばにいる兄弟姉妹との競争なので、3ハウスは兄弟の場所でもあるのです。
で、文字によって、心と時間を得た私たちは、過去の経験を生かし、明日の生存戦略を練ることができるのですが、一方で、明日を憂い、あるいは後悔するのです。
(今を生きろ、と責任のないスピリチュアルな考えを間違って使うことがありますが、そこは使い方が違います)
この心の時代が始まって、ブッダ、あるいはキリスト、孔子といった天才が現われました。
タイトルの「論語」は、孔子の言葉を記録したものです。
そして、まだ、私たちはこの「心の時代」の悩みのなかにいます。
文字があるから、過去から学び、明日に備える事ができるのですが、過去を知っているから、後悔し、明日がわかっているから不安なのです。
でも、この文字によって始まった心の時代は、もうすぐ、AIの登場、あるいはディープラーニングによって転換しようとしています。
余裕ができた脳は、ナニを得ようとするのでしょうか。
いまは、過去を後悔し、未来を不安に思っている私たちが、時間が実は、直線に流れるのではなく、いくつもの軸をそのまま理解するようになるかもしれません。
この本、たぶん、何度も読み返していくと思います。
言葉は難しくないけれど、腑に落ちるまで時間がかかるります。
温故”而”知新
安田登さんの「あわいの力」もどうぞ。