以前にもお会いしたことのある仏さまなのですが、やっぱり見ておかないと、と思って行ってきました。
広告塔にもなっているセンターは、イケメンの帝釈天。
この帝釈天のお像だけは撮影可でした。
この帝釈天の写真、だぶん誰が撮っても同じようにきれいに撮れます。
ほぼ、全方位からみることのできるお像なのですが、ドラマティックでしかも、影がでていない照明はさすが。
しかし、撮影したものをみると、なんかデジタルな感じ、そこにふわっと浮いているような存在感のない印象がありました。そのふわっと浮いているような印象は、ミュージアムショップで売っている絵はがきそのもの。
あれ、おかしいなあ、と思って、また、目の前の帝釈天をみると、そこには実際におられて、裸足の脚の指がちょっと動きそうなところに重心のゆれがあって、存在感があります。
乗っておられる象が動いているので、それにあわせてちょっと腰を動かしているような動きです。
でも、またデジカメのなかの帝釈天をみると、ふわっと浮いている。
このデジカメのなかの帝釈天と、実際のお像の存在感の違いは、デジタルの限界とか、実際のお堂ではなく博物館というフラットな場の空気。
そして、撮影された像というのは、信仰の対象ではないからかもしれません。
帝釈天は、ポスターのなかでもAKBのセンター的役割で、しかもこのお像だけは撮影を許可するという宣伝的役割をもたせているというのは、今どきの方法なんだろうなあ。
後七日御修法(ごしちしちみしほ)の堂内の再現が興味深かったです。
この儀式は秘宝なので、すべてが再現できているわけれはないのですが、曼荼羅をふたつかかげ、周囲に明王と天部の仏さまがおられました。また、それぞれ灯明などがお供えされている実際の空間の写真もありましたが、とてもマジカルでした。
西洋の魔女やマジカルな儀式を執り行う事もありますが、私のどこか深くに響くものは、灯明の灯りがあって、お花とお水、香が焚かれているこういった空間で行われる秘法だと思います。
また、曼荼羅の多さも圧倒的。
宇宙を真っ正面からつかもうとした先人たちの知恵と力を感じました。
そして、ハイライトは東寺の立体曼荼羅の再現。
入口近くにあり、四方におられる四天王はとても現世にちかく、息をしているようですが、菩薩、如来と奥にすすむと、あの世に近くなっていって穏やかな仏さまになっていかれるのです。
そして、この立体曼荼羅のなかは、気持ちがいい(笑
花冷えのする週末の夜間開館にあわせていきました。混雑はしていましたが、チケット売り場に行列ができていたり、入場待ちもありませんでした。
なので、立体曼荼羅のなかをあちらからこちらに歩いたり、こちらの仏さまとあちらの仏さまを比べてみたり。さんざん、歩きました。
そして、ひとつの木から彫られた仏さまや、この立体曼荼羅をプロデュースしていたのは空海、お大師さま。
なんという天才。
グッズコーナーでは、おかざき真里さんのフォルダーをゲット。おかざき真里さんは、空海と最澄が主人公となって「阿・吽」という漫画を書いておられます。私は、こちらの記事で第一巻から前のめりでおすすめしています。
満開の桜のシーズンにふさわしいメタリッで豪華な桜です。メタリックブルーの方は帝釈天の乗りものの象さん。そして、クジャクも高野山におられる孔雀明王の乗りもの。
東京国立博物館の平成館の二階からみたお庭の桜。ピクチャーウィンドウ。
お大師さま、この世も結構、美しいのですよ。
あ、御存知ですね。
おかざき真里さん ツイッターアカウント @cafemari
2019年3月26日から6月2日 東京国立博物館 東寺展