日光は「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。
その中心は二社一寺といわれています。
二社は二荒山神社と東照宮で、寺は輪王寺です。
二社一寺といわれますが、これは明治の神仏分離以降の話で、それ以前はまとめて、日光三所権現と賞されています。
こちらの大猷院(たいゆういん)は東照宮を建てた三代将軍徳川家光の霊廟です。
確かにお寺なのですが、やっぱり感じるのは「お墓感」
霊廟ですしね。
神社ではないのですが、ここでお清めします。
霊廟とはいえ、このあたりまでは「ちょっと派手なお寺、まあ隣は東照宮だし」と思っていたのです。
左右と表とうらにそれぞれ4つの神像が守っておられます。
東を守る持国天、右に西を守る広目天が正面におられて、後ろ側は風神雷神。
施された花の彫刻がすべてボタンである処かあら「牡丹門」とも云われているそうです。
このあたりからちょっと、ただ派手だけじゃない雰囲気。
神さまのおられる静謐な、ということではなく「圧」があるのです。
この手前にある灯籠、数、多すぎると思いました。
ちょっと、コワい感じもします。
そして振り返ると夜叉門に至るまえにも、灯籠が整然と並んでいます。
それぞれ、奉納した殿様、大名の名前が彫ってあります。
これ、人じゃないか、と思ったのです。
徳川家に忠誠を誓う大名のヒトガタみたいな感じがします。
ここには三代将軍徳川家の霊廟。
そこで、死しても忠誠を誓う大名たち。
そして、序列も厳しくあって、この夜叉門近くにあるのは大大名たち。
下にみえるのは、そうではない大名たち。
灯籠は、そう見えるのです。
三代将軍徳川家光は江戸の鬼門となるこの聖地の日光に神として初代将軍の家康を祀りました。
そして、家光自身もこうして諸大名をしたがえていることを、デモンストレーションしているようです。
最も小さな門ですが、ここは家光のプライベートなところだと思うのです。
お参りします。
この権威をみせつけるやり方が巧みだ、というより、コワい。
東照宮をここにもってきた天海大僧正の仕掛けだとしたら、やはり凄いお坊様だと思うのです。
こうしてみるとホントに神社。
神さまとしての徳川家光公がおられます。
仁王門をくぐっていくつかの門をくぐって、上がってくることで神さまである家光公に近づいていく感じがするのです。
この門の奥に家光公の霊廟があるそうです。
こちらは神社というよりやはり、霊廟、お墓。
厳粛な気持ちで、こちらからもお参りします。
世界遺産の観光地ですが、ここまであがってくると、単に観光地気分ではないと思います。
拝殿のなかでお坊様の説明、というかお説教を聞きました。
さきほどの夜叉門におられた烏摩勒伽(うまろきゃ)さまが持っておられる弓が破魔矢(はまや)だそうです。
玄関に向けると「魔」がはいってきません。一生、持てて新年ごとに変える必要がありません。ぜひ、と言われたので、このご縁に拝受いただきました。
輪王寺 公式サイト