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AI vs. 教科書が読めない子どもたち

もとのツイートを探しきれなかったのですが、新井紀子さんの「今の中学生、高校生は教科書に書いてあることが読めていない」という内容のツイートがまわってきたことがきっかけです。

以前、新社会人、あるいは研修生の研修担当をしたことがあって、不思議に思っていたことがあります。
テストやレポートを書かせるとそれなりに点数をとったり、見本のようなレポートを書くのに、実務は全く「使えない」事がありました。
話も「通じない」こともありました。レポートを上手に書いても、明日の研修はコレコレよ。だからナニを準備したらいいと思う?と聞いても、ぽかーんとしてるのは、反応が弱いのか、言葉のギャップだろうか、思う事もありました。

でもこの本を読んで、今思うと、彼らは、何を言われているのか、わからなかったのではないかと思ったのです。

この本は二部構成。

前半は、AI(Artificial Intelligence 人工知能)の開発プロジェクトとして東大に合格する事を目的とした「東ロボくん」を例にして、AIの解説とその限界について。
AIはデッカい計算機なので、基本、できることは数学の範囲。
数学は、論理と確立と統計という手段を得て、この世界を理解しようとしてきたので、これを超える事はAIにはできない。
つまり、推測したり、応用したり、気持ちをあらわしたり、想像あるいは、創造したり。

このブログ的に取り上げるべきは、占星術でのたとえ。以下、文中から要約します。
ヨーロッパで教会が分裂したあおりをくって、パリ大学の天文学者は、ウィーンのハプスブルク家に、天文学者ではなく、占星術者として招かれています。
当時は、天文学と占星術はまだ、同じ学問だったのです。
統治者のハプスブルク家としては、農作物のデキから、皇太子の運命まで、すべて彼らに尋ねたのです。
当時の天文学者は、綿密な観測データの収集とその膨大な計算が必要となってきます。
占いが外れることは、生死に関わることでしたから、必死です。
そこから生まれたのが、古代バビロニアから続いた数の表記である六十進法から、十進小数点への変更だったり、あるいはケプラーやガリレオが発見した天文学の基礎です。
しかし、こうした「天文ビッグデータ」によって農作物のデキと、皇太子の運命を予測したいと熱望したハプスブルク家の姿は、いま、「ビッグデータでAIがなんでもできるようになる」と考える私たちに似ている。
(要約ここまで)

AIにディープラーニングさせれば、あらゆることができるようには、ならない、のです。
それは、そのまま現在の教科書が読めない子どもたちにそっくりなのです。

意味がわからなくても、前後の文字からだいたい、これだろうと確率をもって正解を導き出すAIは、いずれ、そういった思考をする人間の仕事を代わって勤めるようになります。

そして、まったく恐ろしかったのは、後半。

学生との会話が成り立たないと感じた新井さんは、AIの東ロボくんの開発につかった方法を利用して、読解力のテストであるRSTテスト(Reading Skill Test リーディングスキルテスト)を実施します。
すると大学生だけでなく、中学生、高校生が文章の意味がわかっていない学生、生徒が多いことがわかります。

ひとの子どもの事、と笑っている場合ではありません。

実際にこの例題をやってみると、まあ、自分でも驚くほどひっかかり、間違えます。

そして、すぐ思うのは「じゃあ、どうしたらいいの?」
残念ながら、回答はこの本にはありません。
しかし、実際に読解力が向上している地区もあります。
その後ろにおられうのは「教えると、わかる」という事に喜びを見いだしている教師、先生方です。
今の教育現場の圧力、多忙さを考えると涙がでるような力強さです。

新井紀子さんのTEDでの講演。英語ですが、リンク先の動画の下には日本語訳ついています。
「ロボットは大学入試に合格できるか」

そして、私個人は、速読をやめるぞ、と決心いたしました。
読解力は、中学生まで、というデータもありましたが、成人してからも向上することもあるそうです。
まして、射手座に木星がはいったので、なんとなく意味がつかめてしまう「気になる」のが、コワいのです。


AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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