そもそも、読めないですよね。渭伊神社→いいじんじゃ、です。
渭は、水、川を意味しており、伊は、神杖を持つ形にニンベンで、神さまの意志を伝えるものを示すらしいです。
水と神さまに関連している古い聖地なのでしょうね。
子供がどんぐりを拾っているようなのんびりした雰囲気なのですが、ふりかえるとこんな看板がありました。
ここは、神さまに近い場所なのですね。
境内に入るとそこは川のそばに鎮座されていることがわかります。
神宮川が見えました。
地図でもこんな感じ。
Googleマップ
唐破風の屋根のしたに「井」の文字。
このあたりを支配した井伊家でもあり、井戸の井でもあるようです。
井伊谷は、井の谷。
平安時代の井伊家の初代当主の井伊共保(いいともやす)は、井戸のそばで拾われたという伝えが残っています。
その井戸も近くにあって、そこに昔はこの渭伊神社があったともされているそうです。
大河ドラマの「おんな城主 直虎」(おんなじょうしゅ なおとら)の井戸です。
御祭神は、玉依姫命、品陀和気命、息長足姫命とありましたが、水の神さまがいないの?とちょっと不思議に感じました。
境内の看板。
気になるのは「モロード様伊豆社」です。
モロードって、客人(まろうど)だと思うのです。つまり、本来の神さまじゃなくて、外からやってきた神さまという事だと思うのです。
御祭神の三柱の神さまは、まとめて(ごめんなさい!)八幡神といわれています。
帰ってからしらべてみると、この近くにある龍潭寺から南北朝の時代にこちらにお移りになったとのことでしたが、古さからいったら、水の聖地の方が成り立ちとして古い気がします。
古刹の龍潭寺はこのあたりを治めた井伊家、大河ドラマになった次郎法師(井伊直虎)ゆかりのお寺ですし、その近くには井伊谷宮も鎮座されています。
そして、井伊共保(いいともやす)公出生の井戸も近くにあります。
ここでも大事なのは井戸、水なのです。
それにしても、モロード様伊豆社のご祭神が気になります。
伊豆社というお名前からは、伊豆山神社が連想されました。
そちらの御祭神のうちの一柱であるニニギノミコトをこの地に勧請されて、モロード様としてる可能性もあるのですが、「様」ですから、なんか違う気がします。
そして、大宮にある氷川神社の門客人神社を思い出しました。現在の御祭神ではなく、その前からいらした神さまが拝殿の隣にひかえていらっしゃるという感じです。
「モロード様」の神さまって、八幡さまがいらっしゃる前からこの地におられた水の神さま、地の神さまではないかな。
ここから後ろの山にあがります。といっても5分もしない「登山」
後ろの山は薬師山とも呼ばれ、天白磐座遺跡があります。天白磐座遺跡の記事 → https://divinus-jp.com/archives/47834
帰り道に一の鳥居?を発見。
新しい鳥居です。この周囲には新しい住宅が建てられていて、妙雲寺の近くです。
この妙雲寺も龍潭寺と同様に井伊直虎の菩提寺です。
ここまでが渭伊神社の境内だとしたら、けっこう広いです。
古くからある水の聖地であり、この地を長く治めた井伊家の菩提寺もある大事なところであり、今も崇敬されている神さまのおられる場所です。
大宮 氷川神社についての記事は、こちら。
「おんな城主 直虎」 NHKのサイト
渭伊神社 静岡県神社庁のサイト