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阿・吽 (阿吽) 第十二巻 ~ 見えぬモノをカタチをするモノ

この記事を書いているのは2020年11月。(ちなみにこの12巻の発売は9月)
占星術の世界では木星と土星が水瓶座に移動してすぐの2020年12月に重なる前です。
この木星と土星が重なることはグレートコンジャンクションと呼ばれています。
この土星と木星が近づいて、あるいは重なっていくのは20年に一度の事であり、大きな時代の節目であると占星術では言われています。
そのグレートコンジャンクションの前に、山羊座に冥王星、土星、木星と天体がたくさん集まってきている時にこの12巻を読みました。

山羊座は仕事での業績が大事だったり、ローカルルールを守る事が重要なサイン(星座)です。
そこに人々の関心が集まり、あるいは再構築していく時代の節目が2020年なのです。

私は、この巻の主人公は、私は藤原冬嗣とさせてください(笑

以下 ネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。

したたかで空気とバランスをよみ、藤原四家の争いを制し、この時の帝(おおきみ)である「平城天皇の世をつくった」と坂上田村麻呂に言われる人物。
ここで藤原冬嗣と語っている坂上田村麻呂は、冬嗣によって殺されて怨霊となっています。

その怨霊と、冬嗣は語っているのです。

冬嗣は怨霊がゆえに、冬嗣が殺したと知っているこの坂上田村麻呂だからこそ、自分のホンネを語るように思います。

坂上田村麻呂から聞かれます。「お前の目指すものは、なんだ?」
冬嗣は答えます「国だ」

冬嗣の目指す国は物理的に領土を広げたり、あるいは遷都によって「見えるモノ」をつくるのではないのです。
そういった手法について彼は、「物理的(マッチョ)な時代は、もう終わりだ」と思っています。

彼にとっての、国とは、帝を守るのでもなく、自分の藤原家の利益でもない「国」というシステムなのです。

その冬嗣にとって、今は大きな脅威となったのは空海と最澄。
冬嗣は、以前の奈良の大きな勢力となった南都仏教の巨大勢力とならないように、彼らを時に利用し、あるいは否定していきます。

しかし、一方で空海と最澄はいまや、2頭の大きな龍、双龍となっています。
前回までの巻でみたように空海は、足元に大きな暗闇を引きずりながら歩んでおり、繊細であった横顔はありません。

目前で冬嗣に上表書、訴状を破られても「また、書き直しましょう」とシラッとしています。

その訴状で訴えていたように、最澄は自分の死後をみすえて、天台宗という宗派をカタチにしようとしており、弟子も育ってきています。

国家の繁栄と皇室の安泰を祈る「宮中金光明会(きゅうちゅうこんごうみょうえ)」では大事な夜居の僧となった最澄はその存在で、その場を圧倒します。
でも、最澄にとって一種の見世物、天台宗を確立するためのデモンストレーションにすぎません。

そして、この宮中金光明会で最澄が登場で場を制し、読経でモノノケを制して、帝の御簾のうちに入りこんでいくおかざきさんの絵がすごい。

一方の空海は、興福寺の南円堂を建立します。
そこには仏教だけでなく、当時の最先端の建築技法や儒教も盛り込んでいます。
空海は、彼が唐から持ち帰ったみえぬタネをまいて、日本で花というカタチにしようとしているのです。

そのタネをまくというのは、空海、最澄のチカラをおそれている冬嗣も同じ。

冬嗣は「百年後、千年万年先咲く花の種は、今、植えなければ。それもまた政治の仕事だ」と考えています。

だからといって、カンタンに理解しあえるかといったら、それはまた別。

この巻では「三密さんみつ」についても書かれています。

今年は、新型コロナウィルス感染症の流行があり、「三密をさけましょう」と「お題目」のように唱えられました。
今年の三密とは「1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、 2.密集場所(多くの人が密集している)、 3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)」です。

でも、空海の示す三密が本来の意味です。
「『身密』『口密』『意密』という生命を成立たせる要素である身体、言葉、意思を誤ると悪に墜ちる」
「逆にいうとこの3つをよく知り、コントロールし高めることこそ、悟りへの道である」

三密の本来を意味を心に刻み、精進しようと思います。

最後には相撲の節会(すまいのせちえ)の様子が描かれます。
いずれ裏切りとなっていく双子の子供と、その母とそのいとこに、冬嗣は平和と未来の希望をみています。
それは、なぜかというと「国」のためなのです。
「邪魔なものがあれば排除し、有用なものは利用する」と言っています。

国というシステム、枠をまもるというのは山羊座の象徴とするところです。
冬嗣が実際に、山羊座生まれかどうかはわかりませんが、この国のために冬嗣が行っていることや、そのスタイルも、お役人というのも山羊座そのもの。

この年末のグレートコンジャンクションから時代は切り替わっていきます。
国というシステム再構築は、山羊座に残る冥王星がこれからも成していくと思いますが、私たちの視線は先にむかっていくのです。

「国」という見えぬモノをカタチをする冬嗣というモノ。
「天台」という見えぬモノをカタチにしようとする最澄というモノ。
「三密」という見えぬモノをカタチにしようとする空海というモノ。

彼らの思惑がそれぞれの道を分けていくようです。

私は読むだけですけど、体力を使う漫画です。
おかざきさんの熱量に、ついていきます。

グレートコンジャンクションについては、こちらの記事で。
グレートミューテーションについては、こちらの記事で。

厚生労働省のポスター 3つの密(PDF)

阿・吽 (阿吽) 第12巻

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